ポケモン×SDGs――アップサイクルを知ろう!
■おおごえポケモン「ドゴーム」
体全体が皮のバッグで出来ているようですが……ドゴームの口をファスナーを開けることで見事に表現しています。歯はペットボトルの蓋、手は電動ドリル、足は黒板消しの持ち手側の部分が使用されています。 個人的に一番好きなポイントは耳! ドゴームは“おおごえポケモン”で特性が“ぼうおん” ということもあり音と繋がりが深いポケモン。そのドゴームの耳がヘッドフォンでできているのは、なんだかワクワクしますね!
■いのししポケモンの「イノムー」
こちらは多摩美の学内展示の時からさらに作り直しをして、より廃材が活きるよう改良したそうです。 注目してただきたいのは、体を覆っている茶色い毛! よーーく見ると……なんだか光っています。もう気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、配線ケーブルを使用しているんです! 外側の被覆(シース)をすべてはがし、中の導線を何束もまとめて作っているそう。1回目は毛糸で作っていたからこそぬいぐるみのようになってしまったものを素材を吟味してブラッシュアップしたそうです。配線ケーブルの中の銅線とは盲点でした! ポケモンを見てから材料を決めていく、材料を探しながらどのポケモンに合っているか見定める、様々な方法がありますが、全ての作品にこだわりが詰まっていて、近くで観賞するとよりアップサイクルへの興味が増しました! 他の作品の写真も掲載しますので、どんなものが使われているか、一緒に考えてみましょう♪(答えは写真の下に小さく載せています)
企画に携わった多摩美術大学の濱田教授は「何から作ったか分かるように、“アップサイクル”していることが分かるように作品を制作するということをコンセプトにしています。このアップサイクルをできるだけみんなに言葉として持って帰ってもらえたら嬉しいですし、お金をかけなくてもクリエイションができるということを体感してもらいたいです」と話してくださいました。
作品自体はもちろん、会場内にあるものすべてに工夫がされていました。展示しているポケモンについて紹介してあるパネルも紙と段ボールを用いられ、養生テープを使用していないので、それぞれ分別できるようになっています。作品が置いてある台も段ボールです! “アップサイクル”というと、「牛乳のパックをペン立てにする」というイメージを持っていましたが、今回の展示は目から鱗な作品ばかり!思わず声が出てしまう発想で、廃材が利用されていました。 “創造的再利用”という呼び名の通り、学生の皆さんの創意工夫を見ながら制作中のお話を聞いていると、身近な廃材が宝物に思えてきます。第3回の開催を願いつつ、次はどんなポケモンが、どんな廃材で制作されるのか、ワクワクしながらよりアップサイクルについて学んでいきたいと感じた企画展でした。 あなたも、身の回りのものの“アップサイクル”について、考えてみてはいかがでしょうか。