カンムリワシを放鳥 衰弱、保護から回復 「ひらり」地元住民が命名
石垣自然保護官事務所は5日、衰弱のために保護していたカンムリワシの個体に「ひらり」の愛称を付けて石垣市平久保で放鳥した。地元の人の命名という。 ひらりは9月29日に平久保の平野集落北西の海岸近くの農道で保護され、たまよせ動物病院に搬送された。幼鳥で、体重は400グラムと著しくやせ、右脚の踵と脚首に傷があった。 治療し、11月17日から県傷病野生鳥獣保護飼養ボランティア施設のやいま村ゲージでリハビリを行った結果、十分に体力が回復。体重は880グラム、全長50・8センチになり、野生復帰が可能と判断された。放鳥にあたり、左脚に「6」の数字が書かれたシルバーのカラーリングを装着した。 石垣自然保護官事務所によると、石垣島でのカンムリワシの交通事故はことし7件発生し、うち6件で死亡。西表島では2件発生し、1件で死亡している。令和4年は石垣島で10件発生し、死亡7件、西表島は6件発生し、5件死亡と、死亡事故が続いている。 同事務所は「11月以降の冬場は、カエルなどエサとなる生物が減ってくるので、カンムリワシも道路上やガードレール上からエサをさがしていることが多くなるので、運転手には注意していただきたい。雨が上がった翌朝などはとくに意識してもらいたい」と、安全運転を呼びかけている。