松山ケンイチ、最新作の撮影で「NG」が出た理由、染谷将太も「珍しいですよね」と驚き
福田雄一監督の撮影現場特有の空気が漂っていた
ーー悩んだんですね(笑)。 染谷 松山さんから「染谷くん! いまの現場ってこうなってるの!?」と聞かれました。違います!(笑) 松山 白石さんも「当然」みたいな顔してるし、動揺して笑っちゃってる我々がそのまま映ってました。ほかのキャストと対面する初めてのシーンで、最初にこれを見ちゃったので「これは大変な現場になるな。みんな何を持ち込んでくるんだろう」と思いました。 ーー(笑)染谷さんはいかがですか? 染谷 本当に濃いみなさんが現場に来られては台本に無いことをやり始めて動揺する、という日々をすごしましたね。神木くんのとあるセリフがあるんですが、「知らない神木隆之介を見た……」と驚きました。 松山 それも台本になかったんじゃない? 染谷 あれは完全に神木さんご本人が持ってきましたね。 松山 神木くんは福田監督の作品に出るのは初めてでしょ? 初めてで緊張していたはずなのに・・・。 染谷 台本に忠実だったのは我々ぐらいです(笑)。仲野太賀も「どうしようどうしよう」と言いながら、始まったら当たり前かのようにやるし、(佐藤)二朗さんに至ってはまったく台本にない……セリフ1つくらいは台本と同じだったかな?
松山ケンイチさんの演技に「NG」が出た驚きの理由
ーー佐藤さんの登場シーンは、おふたりとも普通に笑っていました。 染谷 “我々”で笑ってましたね。冷静に見られなかったです。 松山 よくこんなにぶっ飛んでいるものを90分にまとめられたよね(笑)。しかも二朗さんのシーンはかなりの時間あるし。全体の1割くらいは二朗さんで使っちゃってるんじゃない? ーーそんなに!(笑)台本を変えるしきたりが、福田組にはあるんですか? 松山 いや僕らは最初から一応台本通りです。変なことやってないよね。 ーー変なことをしないと「もっとこうしてほしい」と演出が入るんですか? 松山 いやいや。ひとつ「マジで!?」と思ったのが、発声練習のシーンで僕も岩田くんに続いて発声をやるんですが、「もう1回」と福田さんに言われて。「上手すぎる」という理由でNGで。びっくりしました。 染谷 珍しいですよね、松山さんが「もう1回」と言われるの。「ちゃんと声が出ちゃってる」ってNGが出てた(笑)。 ーー特に「福田組ならでは」なところはありますか? 染谷 みんな、どうかしちゃうところですね。我々は本当に普通にやっていたんだな、ということを思い知りました。 松山 ある意味で、“厳しい”現場だと思います。道筋はあるけどおもしろければそのまま進んじゃうところがあって(笑)。俳優としては怖いなと。でも、みんなに「そういう経験がしたい」と思わせる魅力が福田組にはすごくあると思います。
有山千春