「自分の力以上のものを出してくれるグラウンド」衝撃デビューから2年、ソフトバンク24歳捕手が思い出のドームで今季初アーチ
◆ウエスタン・リーグ ソフトバンク15―1中日(5日、みずほペイペイドーム) ソフトバンクの渡邉陸捕手(24)が思い出の場所で、今季1号ソロを放った。4回2死、中日先発・大野のカットボールを右翼席へ運んだ。1軍デビューした2022年5月28日の広島戦(ペイペイドーム)以来となるドームでの本塁打。「外野にお客さんはいなかったけど、思い出すものがあった」と振り返った。 ■中日の大野から渡邉陸が今季1号【動画】 約2年前、このドームでプロ初スタメン。2打席連続本塁打を含む3安打5打点と大暴れした。今回は「打った瞬間、うれしさがすごくあって、やっぱり気持ちいいなと思った」と笑みを浮かべた。 6年目の今季、オフの自主トレで肉体改造をして102キロに増量。満を持して宮崎春季キャンプに臨んだが、初日の打撃練習中に左第1肋骨(ろっこつ)を疲労骨折した。約3カ月のリハビリ生活を送り、4月中旬から実戦復帰した。 まだ満足できる状態ではないが「(1軍の)経験がある投手から打てたのも自信になった」と胸を張る。 デビューの記憶が衝撃的で、ファンはみな「渡邉陸」というと、あの時のことを思い浮かべる。それでも「(その記憶を)塗り替えたい」と語る。1軍で活躍するためには、その記憶でとどまっていてはいけないという決意でもあった。そんな思い出の場所での見事なアーチ。「自分の持っている力以上を出してくれるグラウンド」と見つめた。 (浜口妙華)
西日本新聞社