38歳・池田勇太、1打差5位発進「アイアンショットがよかった」 3月に手術受け試行錯誤し感覚戻る/国内男子ゴルフ
日本プロ選手権第1日(4日、岐阜・富士C可児C志野C=7164ヤード、パー71)国内メジャー第2戦。ツアー21勝の池田勇太(38)=フリー=が7バーディー、2ボギーの66で回り、首位と1打差の5位で滑り出した。2年前から苦しんできた「顎偏位症」を乗り越え、2019年「ミズノオープン」以来、5年ぶりの優勝を狙う。65で回った金谷拓実(26)=Yogibo、蟬川泰果(23)=アース製薬、杉浦悠太(22)=フリー、清水大成(25)=ロピア=の4人が首位に並んだ。 思い出の大会で、復活を遂げる。38歳の池田が首位と1打差の好発進。心地よく汗を拭った。 「上がりの1、2打が大きかった。アイアンショットがよかった」 ショットが好調で、平均パットも全体4位(1・5835)とかみ合った。上がり2ホール連続など7バーディーはこの日最多タイ。最終9番(パー4)は第2打をピンそば1メートルにつけた。 2022年から苦しんできた顎の位置がずれる「顎偏位症」の影響もあり、昨季は08年から14季保持してきたシードを喪失。今季は出場機会が限られ、ツアー参戦は歴代覇者の権利で出た5月の「ミズノオープン」(47位)以来、ようやく2戦目だ。2週前の「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップbyサトウ食品」では、欠場選手が出た際に出場資格が回ってくる「ウエーティング」で、初日に会場で8時間近く待ったが、結局出番はめぐらなかった。 ツアー21勝も挙げている選手としては屈辱的な出来事。だが腐ることなく、復活を目指す。3月には歯を削る手術を受けた。16年ぶりに下部ツアーにも出て実戦感覚を養い、「ミズノのときは制御して6、7割の力で打っていたが、今は8、9割で打てる」という。 手術の影響で腕の長さが変わり「今までやってきたフィーリングとは180度違う」と苦しむ中、14年「日本オープン」優勝の資格で出る今大会から、アイアンのグリップを「バックライン」(後ろ側の突起)がないものに変更。「クラブが軽く感じる。感覚を合わせやすく、左右のずれを抑えやすい」といい、「たぶん人生で初」という試みがはまった。 09年のこの大会でツアー初優勝。「思い出もある大会?」と問われると、「まあね。もう十分古い話ですけどね」とニヤリ。91回目を迎えた伝統の大会で、池田が輝きを取り戻す。(鈴木和希)