「1カ月に1冊も本を読まない」6割超に呆然 日本では1年間に約7万点が刊行「人は生涯に何冊くらい本を読めるか」考えてみた 花田紀凱・天下の暴論プラス
【花田紀凱 天下の暴論プラス】 文化庁の「国語に関する世論調査」で「1カ月に1冊も本を読まない」が6割を超えたという発表には呆然(ぼうぜん)とした。 これでは本が売れないのもむべなるかな。 文化庁国語課が令和6(2024)年1月16日から3月13日にわたって、全国の16歳以上の6000人に聞いた結果(有効回答3559人)で、もう少し詳細に見てみると――。 読まない 62・6% 1、2冊 27・6% 3、4冊 6・0% 5、6冊 1・5% 7冊以上 1・8% ま、これじゃ、ぼくたちが一生懸命本を編集しても、なかなか売れないわけだ。 ちなみに、「1冊も読まない」が平成20(2008)年度は46・1%、平成30年度は47・3%だったから、読書人口、確実に減り続けているわけだ。 「本以外の文字・活字による情報を読む機会」(つまりネットなどを指すのだろう)は20代で「ほぼ毎日」が、83・9%。30代では86・6%。 毎日の通勤電車でも、老若男女、ほとんどすべてがスマホの画面を見ている。 本を読んでいる人は稀(まれ)だ。新聞を広げてる人なんて皆無。実に嘆かわしい。 若い連中が優先席をどっかり占拠して下を向いてスマホの画面に集中しているから、自分の前に体の不自由なお年寄りが立っていようが、赤ちゃんを抱いた母親が立っていようが、気付きやしない。 あまりのことに呆(あき)れて、2度ほど注意した。それでも、不貞腐れて譲らない奴がいる。何されるかわからないのでそれ以上は言わなかった、いや、言えなかった。 各電鉄会社は「優先席に若い者は座るな」ということを社内放送するなりして徹底してほしい(むろん、若い人でも体の不自由な人は別)。 話がそれた。 かつて、ある若い学者が、「夏休みに600冊読んだ」と聞いて、こんなことを考えた。 普通の人は、いったい生涯に何冊くらい本を読めるものか。 例えば6歳、小学校入学から読書が始まるとして、80歳まで75年間。