「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したクルマは売れる?
カー・オブ・ザ・イヤーの目的とは
日本カー・オブ・ザ・イヤーの目的は「市販を前提として日本国内で発表される乗用車の中から、年間を通じて最も優秀なクルマを選定し、そのクルマに日本カー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを与え、その開発・製造事業者を称えることにより、一層の性能・品質・安全の向上を促すと共に業界発展と地球環境保護、交通安全に寄与する」こと。もともと、売れているからとか、売れそうだからという理由で授与される賞ではないということだ。 受賞が販売にどの程度貢献するかということについて、マツダ広報部からは「新型デミオやマツダのものづくりの考え方について、より多くの方に認知いただくきっかけになれば幸いです」と回答があった。カー・オブ・ザ・イヤーは開発などに携わったメーカー関係者へのご褒美であり、公式サイトなどで大きく表示できる広告宣伝ツールになっている。 もともと、欧米からの輸入車に負けない品質のクルマを生み出すために、ジャーナリストや研究者とメーカーの開発者などが意見を交わし、新車を評価することから始まったという「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。昨年はドイツ車であるゴルフが受賞して、今年はそのヨーロッパをも明確なターゲットにしたデザインと、欧州で支持されているクリーンディーゼルで勝負するデミオが受賞したことは、賞自体の存在意義にもひとつの転機が訪れていることの象徴といえる。来年以降、世界を変えるようなクルマが日本メーカーから誕生してくることに期待したい。 (寄本好則/三軒茶屋ファクトリー)