【キーンランドC・特捜班のガチ】ナムラクレア陣営に徹底取材 相手強化も上積み「大アリ」
[GⅢキーンランドカップ=2024年8月25日(日曜)3歳上、札幌競馬場・芝1200メートル] 本番は9月末にある“どうしても勝ちたいGⅠ”スプリンターズステークスであり、年齢的に上がり目も…競馬を長く続けているとちょっぴり疑いたくなるのがGⅢキーンランドカップ(25日=芝1200メートル)のナムラクレアだ。得ダネ班に1番人気濃厚の5歳牝馬を徹底取材してもらった。 史上初のキーンランドC連覇を狙うナムラクレア。GⅠタイトルにこそ手が届いていないものの、昨年のV後もスプリンターズS3着→GⅢ京都牝馬S2着→高松宮記念2着と堅実な走りを続けている。 とはいえ1年前と比べると包囲網は強力になった感もある。昨年はGⅢ函館スプリントS3着のトウシンマカオが2番人気、青函S勝ちのゾンニッヒが3番人気という陣容だったが、今年はGⅢ函館SS勝ちのサトノレーヴに、GⅡ勝ちの3歳牝馬エトヴプレ、海外帰りのオオバンブルマイの他、ゾンニッヒ、プルパレイ、モリノドリームと前走オープンを勝った馬も3頭…。明らかにメンバーレベルは高くなっているのだ。 となるとナムラクレア自身に、昨年からの“上積み”があるかないかが大きなポイントになりそうだが…当欄の見立てでは“大アリ”だ。 まず明らかに“昨年以上”と言えるのが追い切りタイム。2年連続で札幌芝コースで追い切ったのだが、昨年の【5ハロン66・8ー50・2ー36・2ー11・4秒】に対し、今年は【5ハロン63・5ー48・5ー34・5ー11・1秒】。 全体タイムだけでなくラスト1ハロンの切れもアップ。昨年より一段も二段も質の高いパフォーマンスを披露してみせた。 追い切りに騎乗したのは長谷川浩大調教師。その感触について聞かれると「余裕があっていい動き。でもここはあくまで前哨戦ですから…」と控えめだったが、昨年からの“上積み”について問うと、「フィジカル面に関しては全く落ちていません。それでいてメンタル面は年を重ねるごとに大人びてきて、これが筋肉の柔らかさに結びついてきていると思いますね」と上昇ぶりをアピールした。 加えて同馬にとって“追い風”となりそうなのが、環境の変化。昨夏の札幌は記録的な暑さで「決して調整は楽ではないです。札幌の馬房にもエアコンがあれば…」と長谷川調教師からボヤきが出るほどだったが、今年はいわゆる北海道らしい涼しい気候。トレーナーからは「いえいえ。朝晩は過ごしやすくても昼間は暑いですから。今年も“札幌にエアコンを”と書いといてください(笑い)」と相変わらずのエアコン設置アピールがあったものの、ナムラクレア自身が昨年よりも涼しい気候で、より良いコンディションで臨めることは確かだろう。 「昨年と同じく55キロ。斤量面の負担が少ないのは魅力ですし、コースも馬場状態も気にならない」(長谷川調教師) “前哨戦仕上げ”は百も承知。それでもどの角度から見ても“昨年以上”に映るナムラクレアに逆らうのは無理筋と言えそうだ。
東スポ競馬編集部