「無能が上司になったのではなく、上司になると無能になる」説。そうならないために、できることは?
これからリーダーになる人へ
これらの結果は、いずれトップに立ち、かつ人間としての品性と、他者を理解し気持ちを通じ合わせる能力をも保ちたいと思っている人には憂鬱なものです。 しかし、権力は確かにあなたを共感力から引き離す強力な力をもってはいますが、だからといって、それに抗うのが不可能というわけではありません。 「かつての、力をもっていなかった自分を思い出すことで共感力を保持できる人もいる」とUseem氏は提案しています。 もう1つは、うぬぼれそうになった自分を現実に引き戻してくれる「監視役」をもつことです。たとえば、ウィンストン・チャーチルの夫人は、彼が高慢だと感じると憶さず注意したといいます。 また、PepsiCoの元CEO・Indra Nooyi氏の母は、会社の役員に任命されたことを誇らしげに話した彼女に、牛乳を買ってくるよう命じ「ばかな思い上がりはガレージに置いていきなさいね」とつけ加えたそうです。 Useem氏が取材した別の専門家は「普通の人々のドキュメンタリーを観る」ことと「有権者(あるいは顧客)の手紙を読む習慣をつける」ことをすすめています。 しかし、権力による脳損傷の一番の予防策は、なによりそれを認識することではないでしょうか。 権力をもつと、以前は出世に役立った能力を失う可能性があると自覚していれば、成功に浮かれず地に足をつけ、人に対して親身になる努力ができるはずです。 ──2017年8月15日公開記事を再編集して再掲しています。 Originally published by Inc. [原文] Copyright © 2017 Mansueto Ventures LLC. 翻訳: 和田美樹/Source: The Atlantic
ライフハッカー・ジャパン編集部