【うまちゃんの財ザク！】 世界最大の半導体受託製造会社の台湾・TSMCの2024年7～9月期決算は、売上高が前年同期比39％増の約3兆5000億円でした。売上高、純利益とも四半期ベースで過去最高。とりあえずひと安心しました。 というのも、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLの決算の数字が低調で業績見通しも下方修正し、米国の半導体関連株は急落、東京市場でも一時、半導体関連株が軒並み売られたからです。 TSMCは米国のアップルやエヌビディアに最先端半導体を供給、ASMLも世界の半導体メーカーの80％以上を顧客にしていて、その動向が半導体関連株に大きな影響を与えています。 半導体に続き、気になるドル円相場ですが、米国の小売売上高が良好なこと、新規失業保険申請件数が予想外に減少したことを受け、米国経済堅調との見方から円売りドル買いの動きが加速しました。11月5日の大統領選でドナルド・トランプ前大統領が勝った場合、関税が引き上げられることで、米国内でインフレ圧力が高まり、ドル高がさらに進行すると思われています。 で、円安の恩恵を受ける輸出関連に再び注目が集まることになります。トヨタ自動車やSUBARUなど自動車関連も戻ってきています。 日本政府観光局によると、1～9月の訪日外客数は約2688万人で、昨年の年間数約2507万人を上回りました。訪日外国人の消費額も1～9月の累計で5兆8582億円と同期として過去最高です。 ということで、円安関連かつインバウンド関連株も見直されています。百貨店のJ．フロントリテイリングや旅行関連のANA、JR東日本などです。 さらに一時調整していた金融株も戻ってきています。米国経済の底堅さを受け、連邦準備制度理事会（FRB）による利下げのペースが鈍化するという見方も強まり、いわゆる「金利上昇メリット」の銀行株、特に三菱UFJ、みずほ、三井住友のメガバンク系に資金が集まっています。 あと、電力株も動意づいてきています。関西電力は原子力規制委員会から運転開始50年の高浜原発1号機において、50年を超える運転が認められました。米国でも、アマゾン・ドット・コムが小型の原子力発電に投資すると発表、次世代原子力発電の関連株を刺激しています。