名古屋グランパス 全選手が熊本地震支援の募金活動
寄せられた義援金24万9888円寄付
熊本地震に関して全選手29人が参加する募金活動は初めて
サッカーJ1・名古屋グランパスの選手らでつくる選手会は22日夕、松坂屋名古屋店本館(愛知県名古屋市中区)で、熊本地震の被災地支援を目的とした街頭募金活動を行った。熊本地震に関して全選手29人が参加する募金活動は初めて。寄せられた義援金24万9888円は、日本赤十字社愛知県支部を通じて、寄付する。
ホームゲームの会場でも募金活動を実施
グランパスは、4月16日に予定していたアウェー福岡戦(レベルファイブスタジアム)が、地震の影響で中止。現地入りしていた選手らも、何度も襲ってくる余震を経験している。 それ以降、ホームゲームの会場となる豊田スタジアム(愛知県豊田市)やパロマ瑞穂スタジアム(同名古屋市瑞穂区)で募金活動を実施。シューズなど選手の愛用品が当たるチャリティー抽選会なども行い、集まった530万円は、すでに日本赤十字社へ寄付した。 選手会は、熊本地震被災地支援について、継続的に議論。その中で、試合前の募金活動では、一部の選手しか参加できないことに、もどかしさを感じる選手も多くいたという。そこで、選手全員が活動できる募金活動を企画。5月上旬から、スケジュール調整や活動場所について、準備などを進めてきた。
西村選手会長「多くの人に協力いただいた」
この日は、選手全員と小倉隆史監督(42)が、名古屋市中区栄の中心市街地・久屋大通に面する同店本館東側の軒下で、募金箱を持って整列し約40分間活動。「熊本地震被災地の支援にご協力を」などと呼びかけると、事前告知で集まったサポーターや、通りがかった人たちが求めに応じ、選手らと固い握手を交わしていた。 企画した選手会の西村弘司選手会長(31)は「多くの人に協力いただいた」と感謝。「被災地から離れていると、日がたつにつれて、熊本地震のことが薄れてしまいがちだが、被災地の人は、復興に向けて今からが大変だと思う。自分たちができることを続けて、被災地のことを忘れないようにしたい」と気を引き締めた。選手会として今後も、被災地支援活動を随時行うという。 選手の中には、熊本県を含め、九州地方出身者や学生時代を過ごすなど、ゆかりのある人もいる。このうち、中学3年生から高校までの約4年間、熊本県で暮らした武田洋平選手(28)は、地震発生後、熊本に住む友人らの安否確認を行うなど、熊本への思いを強くした1人だ。
クラブの垣根を越えた被災地支援活動も検討中
募金活動を終えた武田選手は「地震にあって、大変な状況になってしまった人たちも、日々生活していかないといけないので、落ち着かないだろう」と被災地のことを思い「自分はプロサッカー選手としてプレーしていく。被災した人たちが前向きな気持ちになれるような、そんなサッカーをしていきたい」と力を込めた。 武田選手も含む熊本にゆかりのある選手たちの間では、支援に関する意見交換をしており、クラブの垣根を越えた被災地支援活動も、検討しているという。 中止となった福岡戦(レベルファイブスタジアム)は、6月2日に実施される。 (斉藤理/MOTIVA)