「納豆を食べるなら、夜がいい」ってホント?気になるダイエット効果とおすすめの取り入れ方
ヘルシーで栄養豊富なイメージが強い納豆は、ダイエット中の方に人気が高い食材のひとつ。「夜に食べるのがおすすめ」と話題になることもあり、なんとなく夕食に納豆を食べる方も多いようです。みなさんは「納豆を夜に食べること」にどのようなメリットがあるのかご存知でしょうか?今回は、納豆が「ダイエットによい」「夜に食べるとよい」と言われる理由について、管理栄養士が解説します。 〈写真〉納豆は夜に食べるのが良い?朝食べるのが良い? ■納豆はダイエットに効果的? 納豆は、カロリーを抑えながら、筋肉の材料となるたんぱく質を効率的に摂れるため、ダイエットによいと言われています。実際には、納豆1パック(45g)あたりに、エネルギー量(カロリー)は約83kcal、たんぱく質は約7.5g含まれています。 また、納豆に含まれる納豆菌や、食物繊維、オリゴ糖には、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる効果も。近年、腸内環境の乱れが肥満と関連しているのではないか、とも言われているため、納豆はダイエット中に意識して取り入れたい食品のひとつです。 しかし、納豆には特別「痩せやすい栄養素」が入っているわけではありません。食べすぎは、カロリーの摂りすぎや、栄養のかたよりにつながるおそれがあります。あくまでもダイエットのサポート役として捉えるのがおすすめです。 健康的なダイエットのためには、納豆ばかりを食べて体重減少を目指すのではなく、主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質)、副菜(ビタミン・ミネラル)を揃えたバランスのよい食事をベースにすることが大切です。そのうえで、納豆を主菜のひとつとして、献立に取り入れてみましょう。 ■「夜食べるのがよい」と言われる理由とは? 「納豆は夜に食べるのがおすすめ」と聞いたことはありませんか? 実は、私たちの血液は夜中から早朝にかけて固まりやすく、その時間帯に血栓ができやすいと言われています。血栓を予防するために注目されているのが、納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」です。ナットウキナーゼは、納豆のネバネバ部分に含まれている酵素で、血液をサラサラにする効果が期待できます。 そんなナットウキナーゼの効果を最大限に引き出すには、夕食後や就寝前に納豆を食べるのがおすすめだとされています。つまり、「血栓を予防する」という意味合いで、「納豆は夜に食べるのがよい」というわけです。 「ダイエット」という観点だけで考えれば、納豆を食べるタイミングは夜にこだわる必要はありません。 ■痩せを狙うなら朝! ダイエットをしている方には、夜ではなく朝に納豆を食べることをおすすめします。「納豆ごはん」のような「炭水化物+たんぱく質」の朝食を摂ると、体内時計のズレがスムーズにリセットされやすくなるためです。体内時計がしっかり整うと、代謝が高まり、痩せやすい体質になります。ぜひ取り入れてみてください。 【参考文献】 ・文部科学省,日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 ・日本ナットウキナーゼ協会,ナットウキナーゼ ・東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部監修「その調理、9割の栄養捨ててます!」世界文化社 ライター/藤倉詩織(管理栄養士)
藤倉詩織