黎明期にある宇宙ビジネスの高成長に投資する「東京海上・宇宙関連株式ファンド」の展望
宇宙ビジネスは今、民間によるロケットの打ち上げが活発に繰り広げられ、ロケットや人工衛星の小型・低コスト化が進展している。ちょうど、インターネットが普及し始めた1990年代半ばのIT産業のような黎明期にあるといわれる。東京海上アセットマネジメントが設定・運用している「東京海上・宇宙関連株式ファンド」は、過去1年間のトータルリターンが全世界株式指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円ベース)」を超え、大きな成長がいよいよ株価に織り込まれ始めた動きを感じさせた。同ファンドを実質的に運用するヴォヤ・インベストメント・マネジメントのシニア・ポートフォリオ・マネジャーのレイモンド・クーニャ氏(写真)に宇宙産業と同ファンドの運用について聞いた。
――当ファンドは、日本を含む世界の取引所に上場されている株式等の中から、成長が期待される宇宙関連企業の株式等に投資しますが、「宇宙産業」の現状や特徴は?
宇宙関連産業の市場規模は、2022年の約5460億ドルが2030年には1兆ドル超へと拡大することが見込まれ、現在の規模が約2倍に成長することが期待されています。宇宙ビジネスの成長ドライバーは「小型化」、「低コスト化」、そして、「宇宙ビッグデータの解析」という3つの側面があり、今後は成長が加速していくと考えられています。
小型・低コスト化によって、ロケットや衛星の開発期間の短縮化、製造コストの低下が進み、民間の事業者の活躍余地が広がります。そして、衛星の大量生産、大量打ち上げが実現すると、その膨大な宇宙データを解析することで、現在も行われている気候・気象予測の他、各種サプライチェーンの運用を宇宙から監視するなどにおいて様々な宇宙データを活用したビジネスが発展していくと期待されています。
――宇宙開発にはロケットの打ち上げ失敗によって開発が想定以上に長引くリスクなど、事業としてのリスクが大きいようにも感じられますが?