アイルトン・セナ没後30年目のポールポジション…不世出のドライバーがホンダとF1界に遺したもの
セナの遺志を継ぐ者たち
レッドブルでHRCチーフメカニックを務めている吉野誠も、学生時代にテレビ中継しているF1の番組でセナの存在を知ってF1を目指し、ホンダに入社した。 「私がF1の部署に配属されたのは、第3期F1活動の少し前の90年代後半なので、セナと一緒に仕事することは叶いませんでしたが、セナの話は先輩たちから聞いていました」 ホンダが第3期F1活動を開始してから4年後のサンマリノGPは、セナ没後10年目だった。この年、ホンダがエンジンを供給するB.A.R.がイモラでポールポジションを獲得。これは第3期F1活動でホンダが初めて手にしたポールポジションだった。 没後30年となった今年のエミリア・ロマーニャGPで、吉野は仲間を引き連れてセナがクラッシュしたタンブレロへ赴き、その内側に建てられた銅像に手を合わせた。 そのエミリア・ロマーニャGPの予選でポールポジションを獲得したのは、ホンダがタッグを組むレッドブルだった。 「没後20年だった2014年はイモラでF1が開催されていなかったため、今年は04年以来、20年ぶりの節目のイモラ。その特別な週末で再びポールポジションを獲得できて良かった」 吉野はそう言って、少しだけ笑った。 セナが亡くなったという事実を変えることはできない。ただ、残された人々の中には、あの事故によって人生を大きく変えられた者もいる。それほど、セナという存在は大きかった。そのことを没後30年のイモラであらためて感じた。
(「F1ピットストップ」尾張正博 = 文)
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