上司は年上だから無条件にエライのか。「上司ガチャ」のハズレをアタリにするためにいちばん必要な分析とは
上司ガチャは、自分でレアリティを高められる。
ガチャには「レアリティ」という概念がある。簡単に言えば「レア度」のことだ。SSR(スペシャルスーパーレア)やSR(スーパーレア)などといったランクづけがあり、誰もがよりレアな景品を求めてガチャを回す。 上司ガチャにも、レアリティという概念は通用する。自分にフィットした「理想の上司」が「レアリティの高い上司」というわけだ。とにかく仕事ができる上司、優しい上司、自分の話を親身になって聞いてくれる上司……人によりその定義は異なるが、一般的には、仕事ができる上司も、優しい上司も、自分の話を親身になって聞いてくれる上司も、引き当てるのは難しい。だからこそ、そうした上司はSSR上司だといえる。 上司ガチャのレアリティは、自分で高めることができると私は思う。そのためには、まずは自己分析することが重要となる。 たとえば、みなさんは次の5つのうち、どれに共感するだろうか? (1)ワークライフバランスを重視して、ほどほどの働き方をしたい (2)忙しくてもいいから、とにかく稼げる仕事をしたい (3)ビジネススキルを高めて、どこでも通用する人材になりたい (4)営業力を磨き、カリスマ営業になりたい (5)仕事は可能な限り抑えて、人生を謳歌したい どれを好むかで「理想の上司像」は大きく変わる。ざっくり言うと、次のようになるだろう。
「自分が、上司に何を求めているか」を知ること
(1)ワークライフバランスを重視して、ほどほどの働き方をしたい人 →ワークライフバランスを重視している上司 (2)忙しくてもいいから、とにかく稼げる仕事をしたい人 →厳しいノルマを課し、稼ぐための道を示してくれる上司 (3)ビジネススキルを高めて、どこでも通用する人材になりたい人 →とにかく仕事ができて、部下の成長のために時間を割いてくれる上司 (4)営業力を磨き、カリスマ営業になりたい人 →カリスマ営業として活躍している上司 (5)仕事は可能な限り抑えて、人生を謳歌したい人 →ビジネスライクに「仕事仲間」として接してくれる上司 もちろん、すべての人がこの5タイプに分類されるわけではない。(2)(3)のハイブリッドという人もいるだろうし、この5タイプにまったく当てはまらない人もいると思う。 けれど、基本的な考え方は同じだ。「自分は何を理想としているのか」「その理想を叶えるためには、どのような上司が適しているのか」を考えてみてほしい。 自己分析をした後、「社内でどの人間が自分にとってのSSR上司なのか」と考えてみる。同期や同僚に「あの人ってどんな人?」と探りを入れてみるのもいい。これは先に述べた「上司のデータ収集」で、そうして自己分析→情報収集を徹底的に行うことで、ガチャで当たりを引ける可能性はおのずと上がる。 「上司ガチャにハズレた」という人は、そもそも自分の理想が見えていないことも多いだろう。だから、ハズレたと感じていても実は自分にぴったりの上司だった、ということも往々にしてある。私もたくさんの上司に出会い、「相性が合わない」と噛みつき、「ハズレだ」と思ってしまった経験もあるが、相手のことをちゃんと知ろうという意識があれば、違った関係性を築くことができただろう、といまは思う。 「自分が、上司に何を求めているか」を知ること。ひいては、自分が何を重視していて、何を成し遂げたいか、上司と出会ってどう成長したいのかを理解すること。こうして漠然と描いている「理想の上司」の具体性を突き詰めていけば、意外と、既に周囲に「理想の上司」がいた、ということもあるかもしれない。 ---------- 藤﨑友輔(ふじさきゆうすけ) 株式会社エースディレクション代表取締役。GMOインターネット株式会社(現・GMOインターネットグループ株式会社)入社後にさまざまな苦難と数々の上司ガチャを乗り越え、2010年に全社員約1200名の中でトップセールスを記録した結果、「最優秀個人賞」を獲得。その後、同社で師事した上司からの言葉をきっかけに独立。2016年、営業ソリューション&広告代理店として株式会社エースディレクションを創業。2023年7月に株式会社VIM Arrangement、同年9月に株式会社エース・ホールディングスを設立。 ----------