「Google Scholar」開発から20年--研究活動を強化する5つのコツ
2004年に開発された学術情報の検索ツール「Google Scholar」は、11月18日に20周年を迎えた。このプロジェクトは、わずか2人の研究者が主導して始まり、査読済みのオンライン学術ジャーナルや書籍、会議論文、学位論文、プレプリント(査読前の原稿)、要約、技術レポート、そのほかの学術情報へのアクセスを提供するウェブ検索エンジンへと変貌した。 メディア学者のSiva Vaidhyanathan氏によると、Google Scholarは「巧妙な実験」として始まったが、後に「より幅広い読者層を対象に専門情報の民主化を手助けする付加価値機能」へと進化したという。同ツールは、学術界の内外に知識や研究を提供しており、その中には有料などの理由で収集が難しかったものもある。 研究活動においてGoogle Scholarから価値を最大限引き出す5つの方法を紹介する。 PDFリーダーで「AIアウトライン」を試す 同ツールの最新機能「AIアウトライン」は、ユーザーが学術論文や学術記事を素早く効率的に理解することをサポートする。AIアウトラインとは、有効化された論文に表示される「拡張された目次」を指し、主要セクションごとに数個の箇条書きで構成される。 ユーザーはアウトラインをざっと読み、箇条書きの一つを選択すると、興味を持った箇所を詳しく読める。AIアウトラインは、英語の特定の論文でのみ利用可能で、Google Scholar上でPDFのリンクをクリックすると有効になる。そのほかのPDFでは、一般的な章の概要が表示されるが、同機能のアイコンをクリックするとリクエストできる。 AIアウトラインを使用するには、「Chrome」の拡張機能「Google Scholar PDF Reader」が必要となる。Google Scholarのブログ投稿によると、PDFリーダーは今後1週間ほどでアップデートされ、AIアウトラインを含む予定だという。Chromeの拡張機能ページ(アドレスバーにchrome://extensionsと入力)にアクセスし、ページ右上の「開発者モード」を有効化、左上の「更新」ボタンをクリックすれば、Google Scholar PDF Readerを自分でアップデートすることも可能とのことだ。 「判例法」フィルターを使用する これまで、法律文書にアクセスするのは困難だったが、Google Scholarの膨大な判例コレクションがあれば、興味のある法律を深掘りできる。検索バーの下にある「判例」を選択し、法律関連のクエリーを入力することで、調べ始められる。 記事の引用を好みのスタイルでコピーする Google Scholarは、すぐに使用できる引用を複数の形式で提供しているため、参考文献の作成が容易となる。ユーザーは、研究や課題に必要な引用スタイルを選択すればよい。特定の作品を引用しているほかの学術情報をチェックし、利用可能なデータの幅を広げることも可能だ。 独自の研究ライブラリーを作成する 記事を個人ライブラリーに保存して独自の研究ライブラリーを作成できる。この方法では、全ての研究をカスタムフォルダーに保存して整理し、インターネット接続があればアクセスできる。あらかじめ、自身のプロフィールを作成しておく必要がある。 お気に入りの学者や研究者をフォローする 特定の著者をフォローし、新しい記事が公開されるとメールで通知を受信できるように設定すると、新しい発見やトレンド、議論について簡単に情報収集することが可能になる。この機能により研究者や学生は、最新の研究に遅れずに付いていき、常に情報の最先端に立つことができる。 通知を受信するには、Google Scholarのタブにある「アラート」をクリックする。「Gmail」のアドレスが認識されたら、準備完了である。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。