米小売売上高、9月は予想を上回る伸び-個人消費の堅調さ示す
(ブルームバーグ): 9月の米小売売上高は広範囲の分野で増加し、市場予想を上回る伸びとなった。個人消費の堅調さが示された。
自動車とガソリンを除いたベースでは0.7%増加した。
13分野のうち10分野で増加した。生花店やペットショップなどを含むその他小売りが特に大きく伸び、衣料品や食品・飲料の販売も堅調だった。
一方、ガソリンスタンドは、ガソリン価格の下落を反映して減少。自動車販売はわずかな増加にとどまった。
9月の小売売上高が強めの内容となったことで、7-9月(第3四半期)の経済成長も底堅さを示す可能性が高い。
今回の小売売上高統計を受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)が11月会合で25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを実施するとの見方が覆ることはほぼないと思われる。同時に、米経済が大幅に下降している兆しはこれまでのところほとんど示されておらず、今回の統計でそのことがあらためて裏付けられた。
コア売上高
国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は0.7%増加。3カ月ぶりの大幅な伸びを示した。
コア売上高は3カ月間の年率では6.4%増と、2023年序盤以来の力強い伸びとなった。
ブルームバーグ・エコノミクスのエステル・オウ、イライザ・ウィンガー両氏は「倹約志向の消費者はホリデーシーズンに向けてより安価な商品を求め、中高所得者層でさえ家計が圧迫されている兆候がある。こうした中でも、労働市場の急激な落ち込みがなければ、消費支出は引き続き緩やかに拡大すると、われわれは予想する」とリポートに記した。
小売売上高の数字は物価変動の調整が加えられていないだけでなく、消費支出全体に占める割合が比較的小さい財の購入を主に反映している。今月末に発表される9月の個人消費支出(PCE)統計では、財とサービスへのインフレ調整後の支出がより詳細に示される見通しだ。