米財務省、四半期入札の規模を据え置き-5月から買い戻し開始
(ブルームバーグ): 米財務省は四半期定例入札における中長期債の発行規模を前四半期から据え置いた。市場でも広く据え置きが予想されていた。同省はまた、約20年ぶりとなる発行済み証券の買い戻しプログラムを5月に開始すると明らかにした。
1日の発表によれば、来週の入札での3、10、30年債の発行額は計1250億ドル(約19兆7200億円)。
四半期定例入札の内訳は以下の通り。
財務省は過去3四半期にわたり中長期債の発行規模を拡大してきたが、今年1月の時点で、年内はさらなる増額がないことを示唆していた。同省はこの日の発表でも、「少なくとも向こう数四半期」は通常の中長期債の発行を増やす必要はないと想定していると説明した。
米財務省、四半期入札の規模拡大-来年まで追加の増額ないと示唆 (2)
米金融当局が米国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)のペースを減速させれば、財務省への圧力は和らぐと予想されている。
これまでの発行規模拡大により「財政見通しやシステム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA)における将来の償還のペースと期間が変化する可能性に対応する態勢が十分整っている」と財務省は説明した。SOMAとは、米金融当局が公開市場操作で購入した米国債などを管理する口座。
金融当局による現在のランオフのペースは月間最大600億ドル相当。この額を半減させれば、財務省が必要な調達額を減らすことができる。ランオフペースの半減は、多くのエコノミストが予想している。
財務省は今回、発行済み証券の買い戻しプログラムの詳細も発表。このプログラムは、市場の流動性支援とキャッシュマネジメントの改善を目的としている。
初回の実施は5月29日を予定。財務省は7月まで毎週、通常の利付き証券を最大20億ドル相当、インフレ連動国債(TIPS)を最大5億ドル相当を買い戻す計画だ。
原題:US Holds Quarterly Debt Sale Steady, Starts Buybacks This Month(抜粋)