女子バレー 中田久美監督「誰がエースや軸になってくれるか期待」
女子バレー 中田久美監督「誰がエースや軸になってくれるか期待」
東京五輪へのスタート、中田久美監督率いるバレーボール女子日本代表「火の鳥NIPPON」の初戦「ワールドグランプリ」が7日開幕。「世界基準」とは何なのか? 強豪に挑みながら土台を作り上げていくという。初陣に臨む中田監督にチーム作りのポイントや目指すバレー、選手への期待などについて話していただいた。 【拡大写真と動画】女子バレー岩坂、古賀、宮下、石井らが語る「戦う集団」への覚悟
「ワールドグランプリ」の選手選考は、どういう点を意識?
──東京五輪へ向け、全日本が始動。スタートしてみての感じはいかがですか。 選手の人間性がだいぶ見えてきました。一人ひとりの性格や考え方、どういう思いでここ(全日本)にいるのかなどがだいぶ見えてきて、それをどうやってチーム力にしていけばいいのかを考えているところです。 ──初戦となる「ワールドグランプリ」に向けた18人の選考は、どういう点を意識して? リベロに関しては新しい2人を使ってみたいという思いがありました。ウイングスパイカーについては、田中瑞稀は一生懸命やっていましたし勝負強さもありますが、他と比べてまだ課題もあり、今年はアンダーカテゴリー(U-23)の世界選手権(9月)もあるのでそちらでも頑張ってほしい思いがありました。セッターは宮下(遥)のディグ力、冨永(こよみ)のパス力、佐藤(美弥)のクイックにひっかけてのサイドのトス、という点で選びました。 今回外れたとしても、もちろんチャンスはあります。アジア選手権のメンバーについても考えていますし、練習の効率やバランスを考えて18名登録の17名にさせてもらいましたが、これでチャンスがなくなるということではありません。期待しています。
チーム作りは、どんな流れに?
──中田監督のチーム作りは、どんな流れになるのでしょう。 「世界基準」って何なのか。それはコートの中での技術的なこともそうですしメンタルもそうですし、日常生活についても、それを作り上げていく、確認する。そこを意識させながらチーム作りをしていかないといけないと思っています。まずはその土台の部分だと思っています。その土台に、東京(五輪)に向けて新しい若い選手たちをどう乗せていくか、可能性がありますし、それと同時に今の選手たちがもっと育ってくれれば、それもいいですよね。枠組み、土台の部分、あとはゼロからのチーム作りなので、「リセットする」というところでしょうか。 ──「リセット」ですか。 そうです。今までは木村(沙織)というエースや竹下(佳江)という絶対的な存在がいての全日本だったと思うので、その次は誰なのか。これから誰がエースになっていくのか、誰を軸にして戦っていくのか、そういうところも見ていかなければならないので、そこは選手のみんなには意識してもらいたいです。誰が(エースや軸に)なってくれるのか、期待しています。みんながエースだったらいいですよ。 ──ほんと、そうですね。引っ張っていってほしいです。 ただ、それには難しいこともあって、みんな熱い思いはあるけれど、おそらくは想像、想像の中でしかないという……オリンピックを経験している選手もいますが、遠慮している、様子を見ているようなところがあり、非常にもったいないという気もします。自分が引っ張っていくという思いを持った選手が、何人出てくれるか。誰がやってくれるかな……。 キャプテンの岩坂(名奈)は「引っ張る」という意味では頑張ってくれていると思う。大きな荷物を背負わせてしまったけど、一生懸命やろうとしていますし、それをリサ(新鍋理沙)らがフォローしてくれている。みんな協力的にナナ(岩坂名奈)を支えてくれていると思います。(リベロの)小幡(真子)も積極的に声を出して後ろから指示を出しながら頑張ってくれています。そういうのはいいと思います。時間を共有することによってもっと彼女たちのいいところも引き出してあげられると思います。そうできるよう人間関係をきっちり作っていこうと思います。