「将棋界は古参ファンが幅を利かせる ことなく、新入りにも優しいんです」 初心者に普及させたい将棋界の魅力とは?
将棋の世界のあれこれについて、将棋を漫画に描いているさくらはな。さんに語ってもらうインタビュー。#3では、さくらはな。さんがどのようにして好きな将棋を漫画にするようになったのかいきさつを聞いてみた。 【画像】さくらはな。さん。の“お宝”、永瀬拓矢叡王(当時)の直筆扇子。
こんなに楽しいと知ってほしい
――さくらはな。さん(以下さくらさん)は好きな将棋を漫画のお仕事にしています。それはどういうきっかけだったのでしょうか。 さくらはな。(以下さくら) 私が将棋を始めたのが2013年ごろ。本当に面白くて、自分がこんなに楽しいと思うことを皆さんにも知ってほしいと思いました。それで2016年頃からブログに将棋を題材にした4コマ漫画を描いて、それをTwitter(現X)で広めていました。拡散されたり、評判のいいものもあって少しずつ発表する作品を増やしていきました。 将棋大会を通じて知り合った中に「ねこまど」という女流棋士の北尾まどか先生が代表をされている会社の仕事をしている方がいまして、私の漫画ブログを見たその方に「ねこまどのフリーペーパーで漫画を連載しませんか」と誘われたのが最初です。「駒doc.」という将棋ファンには広く知られているフリーペーパー。北尾先生にも「自由に描いて」と言われお引き受けしました。駒doc.は季刊で今も漫画を描かせていただいています。
ブログに発表した漫画からお仕事の話が
――今は「えりりんの女流棋士の日々」の連載もありますし、将棋漫画やイラストのお仕事は他にもいろいろされているようですね。 さくら 竹書房さんからお話があったのは、2018年だったと思います。将棋好きの編集者さんから女流棋士の山口恵梨子さんにお願いできるので、山口先生のお話をコミックエッセイにしないかというお話をいただきました。やはりブログで漫画をみて下さっての依頼でした。女流棋士は、誰もが知っているような職業ではなく、その仕事ぶりを面白く漫画にできるか不安もあったのですが、山口先生の楽しいトークをネット中継やイベントでも知っていましたし、きっと面白い話をしてくれると信じてお引き受けしました。 棋士の団体であり、将棋の総本山でもある日本将棋連盟から将棋を広めるための冊子に載せる漫画や、棋士の藤森哲也五段が開いている将棋教室のサイトに載せるイラストの依頼をいただいたりもしました。私の漫画を見て下さっての依頼でとても光栄です。 ――さくらさんは、もともと将棋とは関係のない漫画家さんだったのですか。 さくら そうです。デビューしたのはずいぶん前だったのですが、そこからお仕事がなくて……。人気漫画家さんのアシスタントをしたり、単発でイラストを描いたりのお仕事をしていました。売り込みしないとお仕事もらえないので「こういうのを描いてます」と売り込みに行ったりも。でも、将棋のお仕事では売り込みはしたことないのです。みんな私のブログや、先に公開されていた他のお仕事の漫画を見てご依頼いただいて、ありがたい限りです。