諦めない姿に感動、パリと出水に響く「まお」コール 女子マラソン・一山麻緒の力走を家族や市民ねぎらう「胸張って帰ってきて」
「感動をありがとう」「よく頑張った」-。パリ五輪女子マラソンで鹿児島県出水市出身の一山麻緒(27)=資生堂=は11日、最後の力を振り絞り51位でゴールした。先頭集団から離れる厳しいレースを最後まで粘り強く走り抜いた。現地で見守った家族は重ねた努力をねぎらい、地元でのパブリックビューイング(PV)では多くの市民が応援を続けた。 【写真】ゴールする一山麻緒を応援する出水中央高校生ら=11日、出水市のマルマエホール出水
起伏の激しくなる15キロの手前で、父・剛さん(56)と母・優子さん(55)、妹の莉那さん(25)が出水市をはじめ県内の高校生が寄せ書きした日の丸を手に声援を送った。 パリに響く「まお」コールに、一山も笑顔を見せた。苦しい中盤を乗り越え、東京に続く2大会連続での完走。剛さんは「最後まで諦めずに走り続ける姿に感動した。出水でもたくさんの人に応援してもらい感謝したい」。優子さんは「苦しい思いもしてきたと思う。よく頑張った」とたたえた。 出水市のPVには約550人が集まった。レースが始まると「フレーフレー一山」「キバレ麻緒」のかけ声が飛んだ。少年少女合唱団なども力強い歌声で力走を後押しした。 一山が巣立ったスポーツ少年団の肱岡美依奈さん(11)は「憧れの先輩。悔いの残らないよう全力を尽くしてほしい」。同市上知識町の新村幸子さん(80)は「子どもの頃、母親とよく近所を走っていた努力家。自分の孫のように、応援に力が入った。感動をありがとう」と話した。
母校・出水中央高校駅伝部の恩師、黒田安名さん(69)は「今までで一番苦しいレースだったと思う。よく最後まで走りきった。胸を張って帰ってきてほしい」とねぎらった。
南日本新聞 | 鹿児島