金融庁、イドムとグッドスピードに保険金請求の不適切事案疑いで立ち入り検査
自動車保険金の不正請求問題に関し、中古車販売店「ガリバー」を全国展開するイドムと、同業のグッドスピード(加藤聡社長、名古屋市東区)に対して金融庁が保険業法に基づく立ち入り検査に入っていることが分かった。両社とも不適切な保険金請求事案があり、詳しく調べる必要があると判断したとみられる。両社とも財務局に保険代理店として登録し、自動車保険などの販売をしている。 旧ビッグモーターの自動車保険金の不正請求問題は2023年7月に表面化し、同社は同11月末をもって保険代理店の登録取消処分を受け、その後、伊藤忠商事グループなどの3社連合に買収された。 これらの問題を受け、損保各社は他の大手中古車販売店でも不正請求がないかを調べていた。 イドムは23年8月に「自社調査で不正案件はなかった」と公表、11月には東京海上日動火災保険と過去の保険金請求を調べた結果、3件(約5万円弱)の誤請求があったと発表した。グッドスピードは23年夏以降、不適切な請求や不正会計問題が発覚した。 損保各社は、グッドスピードに対しては第三者の調査委員会の設置などを求めていた。イドムに対しても、過去の請求をめぐってのやりとりは続いていた。なかなか実態の解明が進まないことから金融庁は強制的な立ち入り検査が必要と判断したもよう。グッドスピードはその後に経営が悪化。24年8月にガソリンスタンドを展開する宇佐美鉱油(宇佐美智也社長、愛知県津島市)の完全子会社になり、東証グロース市場を上場廃止になった。