枚方出身の礒本容子さん、ハンググライディング女子世界選手権で優勝。日本人初/大阪
ハンググライダーの楽しさをたくさん伝えたい―。大阪府枚方市出身のハンググライダーパイロット、礒本容子さん(41)が、6月下旬から7月上旬にかけフランスで開催された「2014 FAI ハンググライディング女子世界選手権(13th FAI Women's World Hang Gliding Class 1 Championship)」で日本人史上初の「優勝」を果たした。 20歳でパラグライダーをはじめ、1年後にハンググライダーへ転向。結婚・出産・子育てによるブランクを乗り越え競技に挑戦し、家族の理解のもと練習に打ち込み続け世界制覇を成し遂げた、ママさん選手の礒本さん。今はもう、次の夢である男女総合の世界選手権への出場・制覇を目指し奮闘する日々を送る。
きっかけは家族旅行で見た風景
ハンググライダーを始めたきっかけは、滋賀県で家族旅行をしていた時のこと。伊吹山付近で飛んでいたパラグライダーを見かけたことだった。「車の中から空を飛ぶ姿をみて、単純に『空を飛びたい』って思いました」。その後、すぐに情報誌を買って、当時、東大阪市に拠点を置いていたスクールに通った。 練習場所は鳥取県の鳥取砂丘。最初から飛べるわけでもなく、練習では砂まみれになる日々が続いたが楽しかった。だが、ある日、たまたまインストラクターに2人乗りでハンググライダーに乗せてもらった時、その魅力にとりつかれた。 「寝そべって飛ぶ姿勢、その感じが好きになって。ただ、パラグライダーのスクールにお金をいれたんでパラを1年。そして次の1年、ハンググライダーを学んで、ずっとやってます」。今となっては、その「たまたま」がひとつの転機だったとか。
7年のブランク、練習積み重ね世界選手権のきっぷ
後に結婚し、27歳の時に娘を授かりハンググライダーはお休みし子育てに専念。復帰したのは7年後。とはいえ、まだ娘は手を離れるという年齢ではない。効率よく練習をするため、練習施設「紀の川フライトパーク」がある和歌山県紀の川市にも引っ越した。 「主人も休みがあるタイプではなく、娘が学校に行ってる間に練習。主人も理解を示してくれているので助かりました」 練習を積み重ね36歳の時に、国内の選手権に出場することになった。ハンググライダーは天気など会場のコンディションをみて、ポイントを順番通りに飛び、タイムも競う。礒本さんいわく「無駄なくいかに早く飛ぶかがポイント」だという。 年に5回ほど行なわれる国内競技に出場を続けて2年、2009年、男女総合で60人が出場したのクリスマスカップで総合2位に輝く。決して大会出場思考ではなかったが、師匠であるインストラクターの外村仁克さんから「選手権に出れば上達する」と教えられ、出場と経験の積み重ね、めきめきと実力をつけていった。