火の粉浴び、五穀豊穣を願う舞 神社境内で桶振り、「裸祭り」勇壮に
飯田市山本の七久里(ななくり)神社で9月28日夜、600年以上続くとされる「裸祭り」があった。地区内の7集落から1人ずつ選ばれた若者7人が、さらし姿の体に太いしめ縄を巻き付け、五穀豊穣(ほうじょう)を願って頭上におけを高く掲げる「桶(おけ)振り」を披露。その周囲では筒花火が上がり、7人は火の粉を浴びながら勇壮に舞った。 【写真】火の粉を浴びながら勇壮に舞う「桶振り」
午後7時、神社脇で花火が打ち上がると、各集落の住民が列をなしてあんどんや大きな旗を手に参道を歩く「練り込み」が始まった。おはらいを受け、境内の広場で集落ごとに桶振りを披露。全集落が終えると大きな筒花火に点火され、その後は7人で桶振りをした。周囲も「オイヨ」「オイサ」と声を上げ、熱気は最高潮となった。
新型コロナの影響で2020年から中止が続いたが、昨年復活した。東平集落代表の会社員中野佑哉さん(33)は「家族や地域の応援がありがたい。4月に亡くなった祭り好きの祖父に見せるつもりで参加し、元気に披露できた」。同神社の近藤政彰(まさあきら)宮司(81)も「氏子もお客さんも喜んでくれてうれしい。コロナ禍前のにぎわいが昨年よりさらに戻ったようだ」と話した。