アラン・デュカスが愛する京都のグルメスポット6
京都嵐山・渡月橋の前に佇む、わずか21室のスモールラグジュアリーホテル「MUNI KYOTO by 温故知新」が2023年8月、開業3周年を迎えた。それを記念して、宿に併設する2つのレストラン「MUNI ALAIN DUCASSE」「MUNI LA TERRASSE」を監修したフランス料理界の巨匠アラン・デュカス氏が来日。彼が語った、京都ならではの新しい食とは? そして京都のお気に入りレストランやお土産も大公開!
京都は訪れるたびに、新しい発見がある
――世界中からオファーが殺到しているなか「MUNI KYOTO by温故知新」を選んだ決め手は? 「理由は、日本であること、京都であること、渡月橋の前にあること。宿が目指す“旅館コンテンポラリー”というコンセプト、つまり“フランス人のエッセンスで作る、現代的な旅館”にシンパシーを受けたのです」
「京都が食の都であるのは知っているので、いまある京都の食と競争するのではなく、まったく新しいものを作ることを目標に掲げました。フランス料理でありながら、脂分が少なく、塩分も甘みも少ないけれど、おいしくてカラダにいい料理。いわば現代人が求めるフランス料理、そんなオリジナルで特別なものを作ろうという点で、ホテル側と意見が一致しました」
――3周年記念ディナーでは、海洋プラスチックゴミをアップサイクルしたお皿を使うなど、料理にサステナブルな印象を受けました。 「人や自然をリスペクトすることは大切ですよね。私はランド地方という農村の生まれなので、子供の頃から土や農業に触れて、生産者の労働がいかに大変かを知っています。その敬意から、モノを簡単には捨てられないし、再利用します」
「料理人は、健康にいいことを考えなくてはなりません。それはつまり、地球や環境を守ることでもあります。この2つを両立させるのが、私の今の料理のコンセプト。その点、食に対する価値観が高い京都で、自分の料理が表現できることは理想的です」