E’more秋名に総務大臣賞 奄美団体で初の受賞 過疎地域持続的発展優良事例
過疎地域の持続的発展などに取り組む民間団体へ贈られる総務省の2024年度「過疎地域持続的発展優良事例表彰」が19日発表され、鹿児島県内から龍郷町の一般社団法人「E’more(イモーレ)秋名」、高隈地区コミュニティ協議会(鹿屋市)が総務大臣賞に選ばれた。同賞が創設された01年度以降、県内団体の同賞受賞は19年度のNPO法人「子育てふれあいグループ自然花」(枕崎市)以来5年ぶりで、今回が6、7例目。奄美群島の団体からは初めて。 表彰は優れた成果を上げた過疎対策の先進的・モデル的事例としてふさわしく、地域特性を生かした創意工夫の優良事例を選定し、総務大臣賞、全国過疎地域連盟会長賞の2部門で表彰している。 E’more秋名は2018年発足。20年に秋名地区の飲食宿泊交流施設「荒波龍美館(荒波のやどり)」の指定管理者となり、島の家庭料理を提供する「あらば食堂」をオープンさせ、地域の食文化継承に貢献している。また、宿泊事業を通じた関係人口創出に取り組み、地元雇用も生み出した。 体験プログラムにも力を入れ、地域の語り部から史跡や伝統を聞き取り集落を歩く企画を実施。島外から学生を住み込みで受け入れて実践型の就業体験にも取り組むなど、若者世代との交流も深めている。 総務大臣賞の受賞を受け、E’more秋名の村上裕希代表理事(42)は「地域の人たちと一緒に挑戦してきたことが、総務大臣賞という評価をいただくことができてありがたい。今後も地域と連携を図りながら、子どもたちが住みたいと思えるシマ(集落)をつくっていく」と述べた。 表彰式は10月24日、山梨県で開催予定の「全国過疎問題シンポジウム2024inやまなし」で行われる。