1本12,100円の苗木を2年間育てることで、土砂災害防止に自然体で貢献.......オフィスや個人宅で全国約3000本が育つ“戻り苗” 新しい林業との接点を生み出すソマノベース奥川季花さんに話を聞いてみた
戻り苗はどんぐりを種として育てていく商品ですが、こちらにも隠れたこだわりがあると奥川さんは教えてくれました。 奥川さん「実は、私たちの戻り苗に使われるどんぐりにも特徴があります。戻り苗は和歌山県・田辺市の山に戻すのですが、田辺市のどんぐりだけを使って戻り苗のキットを作っています。
どんぐりボックスと呼ばれるものが、田辺市内のいろいろな公園とか、山の近くとか、どんぐりが落ちてしまうエリアに設置されていて地域の方にどんぐりを回収するお手伝いをしてもらっているんです。地域とか育ててくださっているみなさんで山を作るようにやっています。 どんぐりにこだわりたいと思ったきっかけは、私たちが見学させていただいた苗木を育てる取り組みをされている方々の中に、ウバメガシという種類のどんぐりを育てている会社さんとの出会いでした。通常はスギやヒノキを苗木業者さんが、木材用に育てていることが多いのですが、この方は『和歌山の伝統産業である紀州備長炭という炭の原木としてウバメガシも育てている』と教えてくれました。 ウバメガシは広葉樹のため成長するまでに長い時間がかかります。なので育てている人が少ない。もしこのまま植林が行われなければ、“伝統産業として衰退していくんじゃないか”という思いがあって、スギやヒノキだけではなくて広葉樹も植えることにしたと教えてくれました。 たまたま私たちがお伺いしたところが、そういった課題感に注目していた企業だったので、私たちもどんぐりで戻り苗を展開していくことにしました」 トムさん「戻り苗はどのくらい山にかえっているんですか?」 奥川さん「今、大体150本以上が第1期で戻ってきているところで、今みなさんに育てて頂いている数は、全国で約3000本を超えたかなと思います。企業様にも取り扱って頂く機会が増えました。 例えば、JR西日本さんでは脱炭素だったり、和歌山の山に還元していくという地域貢献という観点で戻り苗が採用されました。時間と手間を掛けて育てるという特徴に魅力を感じてもらえています。 いかに従業員の方や、地域の人に取り組みを浸透させていき、パフォーマンスではなく自分たちの手でやっているのかを伝える手段として戻り苗を選んでいただいております」
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