「1人発熱したら翌朝2人発熱。集団生活である以上、感染症は絶対起こるもの」大阪の保健師が見た避難所 印象的だったのは「仕切りの無い避難所。顔を見て安心感」【石川県能登半島地震】
災害列島ニッポン・・・被災地に行ったから分かった「今こそすべき備え」
南海トラフ地震の発生確率は10年以内で30%程度、30年以内だと70~80%程度、40年以内になると90%程度とされています。能登半島で調査に当たった川本さんに、自治体が、私たちが「今こそすべき備え」は何か聞いてみました。 (保健師 川本喜和さん)「寒い季節なら、インフルエンザとかコロナウイルスとか言われますが、どの季節に起こっても、避難所生活という集団生活が起こる以上、感染症っていうのは二次的に絶対起こってくるものという想定は必ず必要だと思います。自治体はそのとき必要な物資(パーティション、衛生用品、ダンボールベッド)は必ず備蓄しておく必要があると思います。また、物資があっても本当に必要なところにすぐに届けられることも重要なので、発災してから避難者の状況を早期把握できる仕組みが必要かなと感じました」 いっぽう私たちが取れる「備え」は、”消毒剤”の備蓄”と”健康状態を知らせること”だといいます。 (保健師 川本喜和さん)「コロナ禍を経験して一般家庭にもアルコール消毒液が備蓄されていたり、マスクが備蓄されていたり、手指の消毒が習慣になったところが大きかったかなと思います。(新型コロナは)5類に移行して、利用機会は減ったかもしれないんですけれども、しばらくの分は(消毒液を)備蓄しておくこと。あと慢性疾患をお持ちの方は、感染症にかかった場合、重症化するリスクがありますので、やはり周囲に病気のことがわかるように、お薬手帳を持ち出せるようにしておくことも重要かなと思いました」 被災地を支援した経験は、大阪で働く保健師として今後に活かしていきたいと話します。 (保健師 川本喜和さん)「活動しながら、『これが堺市で今起こったら、堺市民の皆さんはどうなるのかな』っていうのは常に頭の中にありました。保健師として、地域の繋がりを大切にしていただきたいっていうこと、災害時には感染症リスクがあって、自分の身を守るために平時から備蓄しておくとか、自分の健康状態を知っておくことが重要であるというのは伝えていきたいと考えています」 【川本さんのスケジュール】 1月6日 堺を出発、夕方に宿泊施設着 1月7日 石川・能登町入り、夕方以降避難所を回る。避難所で寝泊り 1月8日 終日能登町の避難所を回る。避難所で寝泊り 1月9日 第2陣に引継ぎ、能登町出発 1月10日 帰阪・堺に戻る