長崎県内の経済、長崎スタジアムシティ開業効果で期待も大きいが…「回復」見通し低下したアンケート
十八親和銀行系の民間調査機関「長崎経済研究所」(長崎市)は、長崎県内の主要企業や業界団体のトップに今年の経済見通しに関するアンケート調査を行い、結果を公表した。県内経済について「回復する」「やや回復する」を選んだのは61・9%で、前年(80・2%)から18・3ポイント低下した。 【写真】長崎スタジアムシティ
調査は昨年12月、105人を対象に実施。このうち2・9%が「回復する」、59%が「やや回復する」を選んだ。一方、7・7%が「悪化する」「やや悪化する」との見方を示した。
プラスの要素としては、長崎市中心部の再開発や長崎スタジアムシティの開業、長崎空港のソウル線の再開による交流人口の拡大などが挙げられた。マイナス面では、資材やエネルギー価格の高止まりが指摘され、コスト増や価格転嫁の難しさが重しとなっている実態が浮き彫りになった。
企業・団体ごとの業績の見通しは、全体の14・4%が「快晴」(前向き)、1・9%が「本降り」(後ろ向き)と答えた。売り上げや生産動向は半数が増加を見込み、採算状況については「変わらない」とする回答が前年よりも増えた。
必要な経済活性化策は、「地場産業の再生・振興支援」「人材の育成と定着」「観光客の誘致促進」を選んだ人が多かった。「新幹線の全線フル規格での早期整備が必須」といった意見も寄せられた。
同研究所は「長崎駅周辺の商業施設や長崎スタジアムシティの開業効果への期待は大きいが、コスト増などによる企業収益の圧迫もある。地場産業の振興や人材育成を図り、企業誘致を促進させて雇用を拡大することが求められる」としている。