<解説>「鬼滅の刃」 鬼舞辻無惨が“パワハラ上司”になった理由 1000年募らせたイライラ
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」。フジテレビ系で春から放送される新作テレビアニメ「柱稽古編」では、宿敵・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)との決戦に向けた“柱稽古”が描かれる。無惨は1000年以上前に初めて鬼になった存在で、唯一人間を鬼に変えることができる“ラスボス”だ。人間を食らい、同類である鬼も容赦なく殺してしまうような男で、無惨が配下の鬼を前に理不尽に振る舞う様子はファンの間で「パワハラ会議」とも言われ、話題になった。なぜ無惨はひどい“パワハラ上司”になってしまったのか、解説する。 【写真特集】「鬼滅の刃」短髪の無惨様がイケメンと話題! 残念?な過去も
◇無惨様のパワハラ会議 上弦の鬼も容赦なく
無惨のパワハラぶりをファンに印象づけたのは、「竈門炭治郎 立志編」の最終話となった第26話だった。那田蜘蛛(なたぐも)山の戦いで、無惨直属の精鋭である十二鬼月の下弦の伍・累(るい)が鬼殺隊に倒されたことを受け、下弦の鬼たちが無惨の元に集められた。無惨は下弦の鬼たちのふがいなさに激怒し、下弦の壱の魘夢(えんむ)を残して4人の鬼を惨殺。初めて登場したにもかかわらず即“退場”させられた下弦の弍を楠大典さん、下弦の参を保志総一朗さん、下弦の肆を植田佳奈さん、下弦の陸をKENNさんという豪華声優陣が演じていたこともあり、話題になった。
「刀鍛冶の里編」の第1話では、鬼の最高位にあたる上弦の鬼たちがパワハラ会議の餌食となった。「刀鍛冶の里編」の前作「遊郭編」で、上弦の陸の堕姫(だき)と妓夫太郎(ぎゅうたろう)の兄妹が鬼殺隊に倒されるという鬼にとっての大事件が起こる。無惨は上弦の鬼を無限城に招集し、「113年ぶりに上弦が殺されて私は不快の絶頂だ」と激怒。「私はお前たちに期待しない」「これからはもっと死に物狂いでやったほうがいい」と叱責した。
無惨は、新情報をつかんだと報告する上弦の伍の玉壺(ぎょっこ)に対しても、瞬時に首を斬り、「まだ確定していない情報を喜々として伝えようとするな」というパワハラぶりを発揮。その迫力に上弦の壱の黒死牟(こくしぼう)、上弦の弐の童磨(どうま)、上弦の参の猗窩座(あかざ)もこうべを垂れるばかりで、上弦の肆の半天狗(はんてんぐ)に至っては「ヒイイッ!」と震え上がっていた。