パリオリンピックに「丸腰」で挑んだ大岩ジャパン、スペイン戦の前半は高く評価できる
パリオリンピック男子サッカー準々決勝、日本対スペインは、ブックメーカー各社によれば、優勝予想の5番手対2番手の対戦だった。0-3という結果は、日本の順当負けを意味する。 【画像】サッカー日本代表 2026年のメンバーはこうなる! 識者が予想 条件的に勝るのはスペインだった。ユーロ2024の優勝メンバーもいれば、オーバーエイジもしっかり3人いる。勝利して当たり前の試合だ。細谷真大にネットをきれいに揺るがされたものの、VARでゴールが取り消されるシーンもあった。少なくともスペインにとって、これは完勝劇ではない。大喜びできない試合だろう。もう一度、試合をやり直したら、より接戦になった可能性の高い、日本にとっては惜しい試合と言うべきだと見る。 前半なかばすぎから7分あったアディショナルタイムを含む前半終了時まで、流れは日本にあった。前半31分の、山本理仁、関根大輝が連続して最深部を突き、マイナスの折り返しを送り込んだプレーはそれを象徴する局面になる。前半40分、藤田譲瑠チマの洒脱なパスを受けた細谷真大が反転シュートを鮮やかに決めながら取り消しになったシーンだけではない。 スペインはロープ際に追い込まれていた。想起したのは「うまい選手はうまい選手に弱い」という格言だ。うまい選手はうまい選手を前にすると固まる傾向がある。スピードやパワーで劣るより技巧で劣るほうがダメージは大きい。 特に、関根、山田楓喜の縦関係に山本が絡む右サイド(スペインの左サイド)は、日本が優位に立っていた。 日本のスタメンは以下のとおりになる。 GK小久保玲央ブライアン、左SB大畑歩夢、右SB関根大輝、CB高井幸大、木村誠二、守備的MF藤田譲瑠チマ、インサイドハーフ山本理仁、三戸舜介、左ウイング斉藤光毅、右ウイング山田楓喜、CF細谷真大。 大岩剛監督は、後半頭から山田に代え藤尾翔太を投入する。山田は縦突破のない選手だ。左足の技巧には優れるが、アタッカーとしての怖さはない。状況は1点ビハインド。CFとしてもプレーする、決定力の高い藤尾を投入したくなる気持ちはよくわかる。