冬の入浴時に多い〈ヒートショック〉はなぜ起こる?高齢者や高血圧、心疾患の人だけでなく、健康な若い人も要注意!予防するには?
冬は寒暖差でヒートショックを起こす人が急増します。特に発生頻度が高い脱衣所や浴室は注意が必要です。ヒートショックを防ぐためのポイントは、「部屋の温度差を減らすこと」と「心臓・血管に負担をかけないようにすること」の2点です。具体的な対策をお伝えします。 【写真】ヒートショック対策のポイント * * * * * * * ◆ヒートショックはなぜ起こる? 急激な気温の変化によって血圧が乱高下することで、脳卒中や心筋梗塞といった心臓・血管の疾患が起こることを「ヒートショック」といいます。 ヒートショックの多くは、冬の浴室で起こります。寒い脱衣所や浴室で血管が縮み、血圧が上がった状態で熱いお風呂に浸かると、今度は急に血管が広がって血圧が下がり、心臓や血管に大きな負荷がかかります。これがヒートショックが発生するしくみです。 ヒートショックは65歳以上の高齢者、高血圧や糖尿病の人、肥満、不整脈の人などに起こりやすいとされています。 ただし、若く健康な人でも、お酒を飲んだ後に入浴したりするとヒートショックを起こすことがあります。また、浴室が暖まっていない状態での一番風呂や、長風呂、熱いお風呂もヒートショックのリスクを高めますので注意してください。
◆ヒートショック対策 ヒートショックは、10℃以上の温度差がある場合に発生しやすいといわれています。暖房器具などをうまく活用して、家の中の温度差を小さくしましょう。 ・脱衣所と浴室を暖める 脱衣所は脱衣所用暖房を、浴室は備え付けの暖房設備を使用して暖めるのがおすすめです。 浴室全体を暖めるその他の方法として、給湯の際にシャワーを使うか、あるいはすでにお風呂が沸いているなら浴槽の蓋を外しておくのも効果的です。 ・お風呂の温度は低めに設定する 個人差はあるものの、お風呂の温度は41℃あたりから心臓に負担がかかってくるとされています。ヒートショックを避けるには、38~40℃を目安に設定するのがおすすめです。 入浴する際は、いきなり湯船には浸からずに、まずは心臓から遠い手足からかけ湯を行って、熱さに体を慣らしていきましょう。 ・浴槽から出るときはゆっくりと お湯に浸かった状態から急に立ち上がると、血圧が急激に下がってめまいや失神を起こすことがあり、転倒したり溺れたりするおそれがあるため危険です。 浴槽から出るときは、手すりや浴槽のへりを使ってゆっくりと立ち上がるようにしましょう。
◆「ヒートショック予報」も参考に 高齢者など、家族にヒートショックを起こすリスクの高い人がいる場合は「ヒートショック予報」も参考にしてみてください。 これは日本気象協会と東京ガスの2社で共同開発した予報で、天気予報専門メディア「tenki.jp」で見ることができます。 ヒートショックのリスクの目安が「警戒」「注意」「油断禁物」の3ランク、5種類のアイコンで表示されるため、リスクが高い日は特に注意するとよいでしょう。 ヒートショック予報は、10~3月の間配信されています。
「婦人公論.jp」編集部
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