「顔や足がパンパン…」なぜ朝夕に“むくみ”は起きるのか?
朝、起きたときに顔がむくんだり、夕方になると足がパンパンにむくむ……。 では、むくみはなぜ起こるのでしょうか? 本記事では、18年間で延べ6万人以上の体の悩みを改善した整体師であり、書籍『顔のゆがみがととのうと驚くほどきれいな私が現れる』(高野直樹著、森下真紀監修)の著者である高野氏に「むくみの原因」について聞きました。(取材/構成:塩尻朋子) ● 顔と足では、むくむ時間帯が違う ――朝、目覚めたあとの顔のむくみが気になる、または、夕方になると足がパンパンにむくむという悩みを抱える女性は少なくありません。いったいなぜ、顔や体がむくんでしまうのでしょう。 高野直樹(以下「高野」):むくみの原因というのは、基本的に顔も体も同じです。静脈で回収しきれなかった水分が、皮下にたまってむくみになります。ただ、顔と足とでは、むくむ時間帯が異なります。顔は朝、起きたときのむくみが気になり、足は1日の終わりにむくみを感じることが多いでしょう。 寝ている間は、頭と足の位置が平行になり、余分な水分が顔まで行き渡るため、朝は顔のむくみが顕著になります。そして、起きて活動している間は、重力により水分が下半身、特にふくらはぎにたまるため、1日の終わりには足のむくみが気になるのです。 ● むくみの原因とは? ――水分が体にたまってしまう原因には何があるのでしょう。 高野:大きな原因の一つが、座りっぱなし、立ちっぱなしなどで、体を動かさないことです。歩くなどの動作で足を動かすと、筋肉が伸び縮みをし、筋肉内を通る血管を圧迫するポンプ機能として働きます。 このポンプ機能がきちんと働いていれば、足などの末端から、スムーズに血液を心臓に送り戻すことができます。でも、足を動かさないでいると、血液は、重力によって足元にたまりがちになり、水分が染み出してむくみにつながるのです。
● 女性のほうがむくみやすいのはなぜ? 高野:男性よりも圧倒的に女性のほうが「むくみやすい」のは、比較的、筋力が弱いため、血液を押し戻すポンプ作用が弱いことも関係しています。 また、塩分の摂りすぎは、浸透圧の関係で血液中の水分が押し出されやすくなりむくみにつながります。そして、アルコールの過剰摂取も、血液中の成分の変化を引き起こし、血管から水分が出やすくなってむくみやすくなるのです。 女性は、生理前などにホルモンバランスが乱れるとむくみやすくなることもあるでしょう。 ● 腎臓、肝臓、心臓の疾患が隠れている可能性もアリ ――顔や体がむくむだけだったら、特に健康上の問題はないのでしょうか? 高野:朝、起きたときはむくんでいたけれど、午後にはよくなった。夕方、足がパンパンになるけれど、朝には治っている、のように、時間の経過で軽減する場合は、一過性のむくみと考えて、むくみの対策をすればいいでしょう。 ただ、何日もむくみが続く、心当たりがないのに急にむくんで体重が増えた、などの場合、内臓機能が低下している可能性があります。特に、腎臓、肝臓、心臓の機能が衰えるとむくみやすくなるため、その場合は、医師の診断を仰いだほうがいいでしょう。 ※次回の記事では、「むくみ」に効くケアをご紹介します 高野直樹(たかの・なおき) BIKOTSU ZERO院長・ゆがみ整体師 整骨院・リラクゼーションサロンを経て、整形外科リハビリ室での勤務も経験し、体の悩みと向き合いながらクライアントを改善へと導いてきた。さまざまな技術を習得し18年間に延べ6万人以上を施術。柔道整復師や鍼灸師などの国家資格者・整体師・エステティシャンなどが技術を学ぶ学校の教科書も作成し、これまで数々の革新的な無痛小顔矯正・バキバキしない骨格矯正技術を世に送り出してきたゆがみを整える職人。
高野直樹