社会人になった息子が「誰も産んでくれなんて言っていない」を後ろ盾に生活費を請求してきます。社会人になった子どもに仕送りをする親はどれほどいるのでしょうか。
子どもがまだ小学生や中学生、高校生などの頃には、定期的にお小遣いをあげていた親は多いでしょう。一方で、大人になり社会人となってからも仕送りを請求する子どもも一部います。 子どもへの仕送りは親の責任か、それとも不要かは、それぞれの価値観によるとしかいえません。ただ、世の中の一般的な傾向は押さえておきたいところです。 今回は、社会人になった子どもへ仕送りをする親がどれほどいるかについて考察します。
社会人の子どもへ仕送りをしている親世帯の割合
厚生労働省の実施した「令和元年 国民生活基礎調査」の調査項目に、仕送りの状況がまとめられています。この結果から、社会人になった子どもに仕送りをする親世帯の割合などを考察してみましょう。 まず、子どもへの仕送りをしている親世帯ですが、同調査のデータによると、1730世帯という結果でした。親への仕送りをしている子ども世帯は1234世帯なので、子どもへ仕送りをしている親世帯の方が多いことになります。ただ、学業への充当を目的として子どもへと仕送りをしている親世帯も少なくありません。 そこで、仕送りの目的をさらに限定してみます。同調査によると、学業への充当以外の目的で子どもへと仕送りをしている親世帯は、562世帯にとどまりました。
社会人の子どもへの仕送り額
国民生活基礎調査のデータから、実際に、親世帯は子どもにいくらほど仕送りをしているのかについてもみてみましょう。学業への充当以外の目的で子どもへと仕送りをしている世帯で、世帯主が50歳以上の親世帯についてのデータをみます。 1世帯あたりの平均仕送り額は、世帯主が50~59歳の親世帯で、6.5万円でした。60~69歳の親世帯では、6.6万円となっています。ただし、10万円以上の仕送りをしている親世帯が非常に多いため、平均が底上げされていると考えられます。
仕送りを避けたい場合はどうする?
いつまでも子どもに仕送りができないという親も多いでしょう。親世帯にも生活があります。また、「誰も産んでくれなんて言っていない」などと言われると親としては厳しいものの、しかし、仕送りをやめたい場合には明確な意思表示が必要です。前述の統計データも示しながら、かつ、自分自身の生活状況なども伝えつつ、子どもに理解を求めていく必要があります。
社会人になった子どもへ仕送りをしている親世帯は少数派
国民生活基礎調査をみる限り、社会人になった子どもへと仕送りをしている親世帯は少数派です。一方で、子どもへと仕送りをしている世帯では、外れ値の影響が大きいとはいえ、1世帯あたり平均で6万円以上の仕送りをしている点も見逃せません。仕送りの有無や額は、親の価値観により大きく変わってくるでしょう。 出典 厚生労働省 令和元年 国民生活基礎調査 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部