人気の『昭和レトロ』なぜ平成生まれも懐かしいと感じるのか 専門家が指摘した“社会的共通体験”と“強い色”
昭和レトロの研究をしている立正大学の浅岡隆裕(あさおか・たかひろ)教授は、直接体験していなくとも、刷り込まれたイメージが、「レトロ」「懐かしい」という感情につながっているといいます。
立正大学の浅岡隆裕教授: 「ご自身の経験があるというよりも、人の話やメディアでいろいろ見聞きしていることで『昭和=懐かしい』と。例えばメロンソーダを見ると、誰が見ても『懐かしい』と口ずさんでしまうんですけれども、“社会的な共通体験”としてイメージが作られている」 また、日本流行色協会の大澤かほるさんは、“色”がポイントだといいます。
日本流行色協会の大澤かほるさん: 「すごく強い色が、今見るとびっくりするような色が使われていたいたんですよ」 キーワードのもう1つが、その「強い色」です。 日本流行色協会の大澤さん: 「色って不思議なんですけど、時代とか人の気持ちが敏感に表れますね。当時はモノを持つことにステータスがあった、人々の喜びであったのと同時に、時代の勢いをモノの色が表していた。そういう熱量があった時代ですね」 当時の“右肩上がり”の時代が、今に無い“強い色”として表れていて、そこから「レトロ」「懐かしさ」につながっているといいます。 今との違いについても聞きました。 日本流行色協会の大澤さん: 「自然志向というのがすごく強まっているので、強い色を使ったものは確かに減っちゃっています。体の感覚でその人の気配を感じたり人と会話したりするのが当時から比べたら少なくなっている。皮膚感覚で感じる懐かしさっていうのかな、今とは全く違うものを、もしかしたら感じているのかなと思います」 2024年7月5日放送