長崎の被爆体験者の救済 波紋呼ぶ“低線量被ばく”の評価
会長の評価とは裏腹に、報告書はこの論文を「信用できない」とする意見があったとし、低線量被ばくの人体影響について《確固たる知見は得られなかった》と結論付けました。 ■波紋ひろがる“低線量被ばく”の評価 放射線生物物理学が専門の長崎大学 高辻俊宏名誉教授は、医学論文が専門家の審査を通り掲載される難しさを指摘した上で「信用できない」とする意見に異を唱えています。 長崎大学 高辻俊宏名誉教授: 「権威ある学会誌で査読を通って掲載されているというわけですから『ひょっとしたら違うかもしれん』ということを理由にして、いかにも影響がないかのように言うのは、これは違っていると」 原爆から飛び散った放射線。高辻さんは体に入った場合の影響を探るため極少量の放射性微粒子をラットに吸わせて肺を観察。重度の出血や肺に穴が開く肺気腫が起こったことを確認しました。被爆者や被爆体験者にも同じことが起きた可能性があるとしています。 しかしこの論文は市の研究会で取り上げられませんでした。 高辻名誉教授: 「健康影響があると少なくともラットの動物実験で私達は示した所なんですけれどもそれについての議論はなぜか入っていない」 8月9日に実現する見込みの総理との面会は救済につながるのか?被爆体験者問題の行方は見通せない状況が続いています。 ※この記事は24日午後6時50分、一部内容を削除しました。
長崎放送