徳之島から「春一番」届ける 東京で4年ぶり観光・物産フェア 特産品に長蛇の列
旬の徳之島産赤土新バレイショ「春一番」をはじめさまざまな島の食材や伝統文化を東京に届ける「第9回〝とくの島観光〟・物産フェアin東京」が18日、東京都・渋谷区の代々木公園で開かれた。新型コロナ禍を経て4年ぶりの開催とあり、再開を待ちかねた島の出身者やファンら約2万人が訪れ、人情と活気あふれる「徳之島パワー」を楽しんだ。 鹿児島県徳之島の出身者らで組織する関東徳州会(岡村隆文会長)の主催。2011年に発生した東日本大震災の際に3町からバレイショを被災地に贈ったことをきっかけに、島からいち早く春を届けようと翌12年から開催している。徳之島3町、JAあまみの徳之島、天城両事業本部、徳之島観光連盟、鹿児島県が後援。 岡村会長は開会あいさつで「島は結(ゆい)の助け合いの文化がある。4年ぶりの開催となったがこれを機会に旧交を温め、島の料理や島唄など文化をたっぷり楽しんでほしい」と来場者を歓迎した。 会場では、島から運んだ取れたてのバレイショやタンカンの販売ブースに長蛇の列。バレイショ「春一番」の肉ジャガやポトス、タンカンジュース、黒糖焼酎、島の黒毛和牛「徳之島牛」の精肉、島のイノシシ肉を使った「いのしし汁」などの屋台テントが33店も並び、来場者は歓談しながら舌鼓を打っていた。
舞台では、奄美3世のアーティストで奄美観光大使のMAYURA・三界さんや、徳之島出身で中学生民謡日本一にもなった民謡歌手の森田美咲さん、徳之島出身のシンガー・ソングライター、あずままどかさんら9組がステージを繰り広げ、会場を熱気に包んだ。 伊仙町出身で島の高校を卒業後、東京で暮らしているという幸野大輔さん(42)は、妻と3歳の長男と家族3人で訪れた。「島にはなかなか帰れないので、島の空気を感じられるイベントはありがたい。高校時代の同級生など同郷の人とも再会できて楽しめた」と話していた。