【ミャンマー戦で見えた1トップ・小川航基の可能性(1)】代表3戦5発というハイペース。遅れてきた大型FW小川航基は日本に何をもたらすのか……5発中3発に絡む能力
2026年北中米ワールドカップ(W杯)まであと2年。9月スタートのアジア最終予選進出を決めている日本代表だが、1~2月のアジアカップ(カタール)でイラクとイランに苦杯を喫しているところを見ると、悲願の8強の壁を越えるのはそう簡単ではなさそうだ。 ■【動画】「オランダリーグで11得点を決めてるだけある」と称賛された、日本代表の次なるエースFW候補がW杯予選で決めた「華麗な反転からの2点目」■ 特にクロスやリスタートから空中戦で競り勝って決められる大型FWの不在は懸念材料の1つ。日本代表の歴史を振り返っても、高原直泰(沖縄SV代表)や大迫勇也(神戸)のような万能型はいても、前線でターゲットになれる強さと高さを併せ持った人材はなかなか出てこなかった。世界で言えば、オリビエ・ジルー(ミラン)やロベルト・レヴァンドフスキ(バルセロナ)らに通じる前線のタレントをあと2年で作ることが、世界トップ入りの重要ポイントだと言っていいだろう。 3月の北朝鮮戦(東京・国立)で4年3カ月ぶりのA代表復帰を果たした小川航基(NECナイメンヘン)はそれを痛感する1人。 「日本サッカー界で突出したFWが出てくることが求められていると思うし、その1人になれるのが僕。そこの自信はずっと持っていますし、僕じゃないといけないと思ってる。これから先を見守っていただけれたら」と彼は6日のミャンマー戦(ヤンゴン)を前に語気を強めていた。
■ミャンマーの致命傷となる得点
その小川が先発1トップに陣取ったこの試合。前半は鎌田大地(ラツィオ)と堂安律(フライブルク)が2シャドウに入ったが、鎌田は旗手怜央(セルティック)と流動的に動いて組み立てやチャンスメークに注力。堂安が小川に近いゴール前に入ってきて攻めに厚みを加えるという形だった。 小川は高さを生かしつつプレー。左ウイングバック(WB)の中村敬斗(スタッド・ランス)が入れたクロスを下がりながら頭で競った前半7分の場面、守田が浮き球のボールを入れたところに反応した31分のチャンスなど、存在感を示したが、ゴールを割ることはできない。中村と堂安の得点を見て、闘志を掻き立てられていたに違いない。 迎えた後半。2列目の構成が鎌田・鈴木唯人(ブレンビー)に変化し、さらに17分以降は中村・鈴木という不慣れなコンビになったこともあり、小川の高さでゴールをこじ開けるというチーム全体の意識が高まったようにも見受けられた。 それが結実したのが、後半30分の3点目。右WBの相馬勇紀(カーザ・ピア)が中に切り返して左足で上げたボールに合わせ、小川と途中出場の前田大然(セルティック)が背後に抜け出し、最終的に小川が頭でゴール。ミャンマーに致命傷を負わせたのだ。
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