プロよりも多くの収益を上げる米大学スポーツの課題とは?
巨大なスポーツビジネスの市場を持つアメリカには様々なプロスポーツがあり、野球やアメリカンフットボールといったメジャースポーツは日本にも多くのファンを抱えています。チケットやグッズの販売、テレビの放映権などで、莫大な収益をあげるチームが野球やフットボールといった人気スポーツには少なくありませんが、実は有名プロチームと同等、時にはそれ以上の稼ぎを記録しているのが大学スポーツです。強豪校なら1校で年間100億円以上の収益をあげる米大学スポーツ。同時に課題も存在するようです。
巨大ビジネスとして成立する米大学スポーツ
今月初め、スポーツビジネスを専門とするニューヨーク市立大学のマーク・エデルマン准教授が大学スポーツの収益に関する発表を行いました。アメリカの大学スポーツ全体の年間収益が、世界的な知名度も確立しているNBAとNHL全体の年間収益を足したものよりも多いことが判明。最も多くの収益を記録したのはテキサス大学で、その額は165億円に達していました。テキサス大よりも少なかったものの、大学スポーツでは南部の強豪校として知られるアラバマ大学もスポーツ事業で約140億円を稼いでいます。NHLでアラバマ大学運動部の年間収益を超えたチームは存在せず、NBAでもアラバマ大よりも多く稼いだチームはわずかに5つでした。 日本のプロクラブと比較しても、その差は一目瞭然です。サッカーを例に考えてみましょう。毎回多くのサポーターがホームゲームに集まり、Jリーグを代表するクラブの1つと言っても過言ではない浦和レッズ。近年で最も観客動員数が多かった2008年シーズン、主催試合入場者数は100万人近くにまで達し、J1リーグ戦の平均入場者数はリーグ平均の倍以上となる約4万7000人を記録しています。クラブのウェブサイトに掲載されている経営情報によると、この年の営業収入が約70億円。日本の国内外で名前を知られたサッカークラブですら、アラバマ大学のスポーツ関連収益の総額には程遠いことが分かります。