大阪市内で初雪を観測! 雪なんか降ったっけ? 実はそこに大阪管区気象台のスゴ技があった!
大阪でも初雪観測!
きょう21日(木)、大阪管区気象台から初雪の便りがあり、平年より5日早く、昨年より2日早い観測となりました。 ただ、大阪市内の人にとっては「初雪って言うけど・・きょう雪なんか降った?」と思われる方も多いかもしれません。
「初雪の観測」ってどうやってるの?
大阪管区気象台に問い合わせたところ「21日午後1時15分から20分の間に、職員が目視にて雪が降っているのを観測したため」とのことでした。そう、実は大阪の初雪は気象台の人の「目視」による観測で決まっているのです。しかも、大阪の観測機器(1分ごとに雨や雪を検知する機器)では、その時間帯は雪は観測されていませんでした。「目視」だからこそ「初雪観測」を発表することができた、ということなんです。
「機械の方が正確なのでは?」
気象の世界もいわゆるデジタル・トランスフォーメーションが進んでいて、2020年から 神戸・京都・彦根・奈良・和歌山の気象台では、目視から観測機器を用いた自動観測に切り替わっています。 現在も目視による観測を行っているのは大阪だけです。もちろん機械は正確ですが、一方で気象学では「人の感覚」をゼロにすることはないと言われています。 例えば今年の夏、「天気予報で気温35度って言ってるけど、絶対に40度超えてるやろ」なんて思わず言ってしまった人もいるのではないでしょうか。 こういった数値にはあらわれない「人の感覚」を加味してみなさんにお伝えすることが、気象予報では重要だと考えられています。 ちなみに、そこまでして初雪を観測する理由は何なのか?それは「季節」を判断するためです。20日から寒気が流れ込み、とても寒い日が続いていますが、先週金曜日の15日の最高気温は19.5度もありました。一体いつ冬になったのかわかりませんよね。それを判断する指標となるのが初雪なんです。本格的な「冬がはじまるよ」の合図、というわけです。 大阪市内では、週末にかけての寒波で雪が積もることがないものの、雪が観測されていることからも「降れば雪」というレベルの寒気には覆われています。 特に23日(土)の朝にかけては厳しい寒さが続きますので、体調管理などにお気をつけください。 (ABCウェザーセンター 道産子気象予報士・佐藤悠)