金メダル候補のスペインがパリ五輪の予備登録メンバー22人を発表! 16歳ヤマルは選考外も“EURO組”からフェルミンとバエナの2人を招集
FWも個性派揃いだが、中でも出色なのがナイジェリアにルーツを持つサムエル・オモロディオン(アラベス)だ。スペイン紙『ラ・バングアルディア』などで戦術分析に重きを置いた記事を寄稿するアレックス・デルマス氏も、「驚異的なフィジカルの持ち主だ。鋭く速く力強い。スペースを抜けるスプリント力は圧倒的だ」とそのフィジカルモンスターぶりを称賛する。CFは“スペインのベンゼマ”と評され、実績、連携で一日の長があるオーバーエイジのアベル・ルイスがレギュラー格だが、今大会注目の選手のひとりだ。 その他のFWもディエゴ・ロペス(バレンシア)がスピード、セルヒオ・カメージョ(ラージョ・バジェカーノ)がハードワークと特徴がはっきりしている。興味深いのは、マンチェスター・CではSBを務めているセルヒオ・ゴメスをFWで選出している点。「戦術理解力が高く、どんなポジションにも適応し、局面ごとに自分が何をしなければならないかを知っている」と、バルサのカンテラ時代に指導経験があるフラン・アルティガ氏はその多様性を高く評価する。 パリ五輪本大会の登録枠は18人。この中から来月1日に始まる合宿を経て4人が外れる。オーバーエイジ枠の3人、EURO組のふたりは、よほどのことがない限り外れることはないと見られており、5人のみの選出となったMFもそのまま選ばれる可能性が高い。その2点を前提に考えると、GKのジョアン・ガルシア(エスパニョール)とアレハンドロ・イトゥルベ(アトレティコ)、DFのパチェコ、マルク・プビル(アルメリア)、ファンル・サンチェス(セビージャ)、FWのカメージョあたりが当落上の選手と言えそうだ。 パリ五輪に向けて選出されたスペイン代表の予備登録メンバー22人はこちら。 GK アルナウ・テナス(パリSG/23歳) ジョアン・ガルシア(エスパニョール/23歳) アレハンドロ・イトゥルベ(アトレティコB/20歳) DF マルク・プビル(アルメリア/21歳) ファンル・サンチェス(セビージャ/20歳) エリク・ガルシア(ジローナ/23歳) クリスティアン・モスケラ(バレンシア/20歳) パウ・クバルシ(バルセロナ/17歳) ホン・パチェコ(ソシエダ/23歳) ミゲル・グティエレス(ジローナ/22歳) フアン・ミランダ(ベティス/24歳)◆ MF アレックス・バエナ(ビジャレアル/23歳) パブロ・バリオス(アトレティコ/21歳) アドリアン・ベルナベ(パルマ/23歳) ベニャ・トゥリエンテス(ソシエダ/22歳) アイマール・オロス(オサスナ/22歳) FW セルヒオ・ゴメス(マンチェスター・C/23歳)◆ フェルミン・ロペス(バルセロナ/21歳) ディエゴ・ロペス(バレンシア/22歳) セルヒオ・カメージョ(セビージャ/23歳) サムエル・オモロディオン(アラベス/20歳) アベル・ルイス(ブラガ/24歳)◆ ※年齢はパリ五輪開幕(7月24日)時点。◆はオーバーエイジ枠。 文●下村正幸
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