「守り勝ち」阪神・岡田監督、ヨッさん超え虎将単独2位485勝 9戦連続2点以下でも守りからリズム作り流れ呼んだ
(セ・リーグ、阪神2-0巨人、5回戦、2勝2敗1分、17日、甲子園)何度も何度もピンチが襲い掛かった。それでも、師匠から学び、鍛え抜いた〝最強の盾〟ではね返した。つかみ取った価値ある485勝目。岡田監督は何度も何度もベンチで白い歯をのぞかせた。 【写真】2回、吉川尚輝の二ゴロで本塁生還を試みた巨人・丸佳浩をタッチしてアウトにする阪神・梅野隆太郎 「もう、2点しか入らないからね。伊藤(将)も、あんまりよくなかったんだけど、本当、守り勝ちというか、本当、しのいでしのいで、そういうゲームだったですね」 猛攻に耐え、ワンチャンスをモノにし、再び耐える。まさしく、守り勝った一戦だ。二回は無死三塁の大ピンチ。先発の伊藤将が岸田を三振に斬り、1死としたところで虎将はベンチから前進守備の指示を飛ばした。 豊富な経験値から導き出した〝答え〟はさえわたる。吉川の打球を二塁・中野が好捕し、ホームへストライク送球。三走・丸をタッチアウトに仕留めると、先制直後の四回は無死満塁と絶体絶命も、一塁・大山が2度のゴロをさばくなどして無失点。盤石のリリーフ陣もホームを踏ませず逃げ切った。 この1勝で吉田義男氏を超え、球団歴代単独2位の485勝目を刻んだ。「あぁ、それはまだね。試合あるんで、それはまあ、あまり関係ないですね」と、ニヤリと笑った。指揮官は現役時代、吉田氏から再三、守りの重要性を説かれている。1985年には吉田監督のもとで球団初の日本一も経験。恩師から学んだ〝守り勝つ〟野球で、恩師を超えた。 そんな〝吉田の教え〟は、〝岡田の教え〟となってナインに浸透している。この日も好守でチームを救った中野は「守備でリズムを作る」、「守備で勝てたら大きい」と何度も口にするようになった。昨年、日本一に輝いた一番の要因といっても過言ではない守りへの意識。現状、チームは9試合連続で2得点以下と貧打に苦しむ。だからといって勝てないわけではない。岡田監督はナインの〝守〟をたたえ、〝攻〟の奮起を促した。 「今のこの成績にいてるっていうのは投手陣の頑張りだし、僅差のゲームで守りの方もしのいでしのいでというね、そういうのを続いてるけど、そこを乗り切ればね、もうちょっと楽なゲームできると思いますね」 監督勝利数の球団歴代1位・藤本定義氏(514勝)まで、あと29勝。猛虎打線は必ず復活する。そのときまで、虎将は守り勝つタクトをふるい続ける。(原田遼太郎)