なぜオートバックスが“2000万円”高級キャンピングカーを発売? 下火のキャンプブームで見えた勝ち筋
オートバックスセブンが展開するガレージライフスタイルブランド「GORDON MILLER」(ゴードンミラー)【※】は、日産『キャラバン 4WD』をベースにした新型車両『GMLVAN G-01』を明日3月6日より発売する。1月の発表後、豪華装備を備えたありそうでなかった武骨なデザインのキャンピングカーという点、そして1870万円という車両価格が注目を集めていた同車。“車離れ”や“キャンプブーム下火”など、ネガティブなワードを耳にする市場において、なぜ同社は高級キャンピングカー開発・販売に向かったのだろうか? その背景を、同社ブランドビジネス事業統括の小曽根憲氏に話を聞いた。 【写真59枚】日産『キャラバン』が仰天チェンジ…ウッド×アルミの武骨な内装が超おしゃれ『GMLVAN G-01』内外装全部見せ
■ハイスペックかつこだわったデザイン「従来のキャンピングカーにはなかった」
『GMLVAN G-01』は、日産『キャラバン 4WD』をベースにカスタムを加えた高級キャンピングカー。同ブランドのアイコンである丸目4灯とテールランプを踏襲し、武骨でクラシカルにまとめつつ、内装には車格を生かした豪華装備を施した。 「この車には、大型バッテリー、リアクーラーシステム、冷凍/冷蔵庫、FFヒーターが標準装備されています。特に大容量バッテリーは、プロユースのものを使用しており、従来のキャンピングカーだと家庭用エアコンの稼働時間が5~6時間のところ、この車では10時間を超えます。なので『滞在』しやすい。また、シートも無段階に調整できるリクライニング機能が付き、走行中の前向きはもちろん、フルフラットにすることでベッドモードにもなる仕様。停車した際のミーティングの際に活躍する跳ね上げ式リアベンチを備えており、5人程度なら余裕をもって座ることが可能です。また、車内外のデザインもこれまでのキャンピングカーになかった『インダストリアルデザイン』を基調にしており、武骨な『GORDON MILLER』の世界を体現しています」 そもそもこのプロダクトは、「GORDON MILLER」で提唱している「ガレージライフ」を発展させたコンセプトをもって立ち上がった。 「コンセプトは『グリッドレスガレージライフ』(グリッドレス=電力網などのインフラに頼らない状態)。いつでもどこでも、時間と場所にしばられずにガレージライフを送れる。遠隔地にいるにも関わらず、家のガレージと同じような落ち着く空間を作り出す。そのまま外に持ち出すということですね」 コロナ禍を経た今でこそ、移住や車中泊、コワーキングスペースなどが広がったが、この車の構想が持ち上がったのは、それ以前。小曽根氏も「コロナ禍で、こういう風に浸透したのは全くの予想外だった」と話す。 「以前は『会社ではないところで仕事をするなんて考えられない』というのが一般的。そんな中、『(この車を使って)グリッドレスガレージライフを実現するような世の中があってもいいよね』『そういう楽しさを提案できるブランドになりたいね』というところからスタートしたら、コロナ禍で世の中のそういう動きが加速したという感じなんです」