なぜ今、海外で「日本文化」が愛されるのか。インテリア業界などで「ジャパンディ」が流行している理由
◆「ジャパンディ」がはやっている背景
「ジャパンディ」は2022年頃からインテリア用語として普及してきました。その背景にあったのは世界中の人が影響を受けた新型コロナウイルスです。日本でも不要不急の外出以外を控えるように、とのお達しがありましたが、欧米の大都市ではそれより遙かに厳しい完全なロックダウンが行われていました。外出制限による在宅時間の延び、またリモートワークも普及した結果、家は寝るための場所ではなく、仕事、娯楽、食事、勉強の全てを行う場所に。 これによりインテリア業界の需要が急激に増え、そしてデザインにも影響を与えるようになりました。2020年度の日本国内の家具・インテリア販売市場は前年度比で+6.1%も増え過去最高を更新しています。アメリカでも2020年のインテリア業界の売り上げは前年比+11.7%と好調です。 またもう一つ大きな要因としては、インテリアのみならず、そもそも「日本」そのものがはやっているという風潮があります。ヨーロッパに住んでいても、近頃は日本要素を感じる物を多く見かけるようになりました。ベジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリーなどに応えた和食が普及してきており、さらに無印良品やユニクロなど、シンプルなデザインと手頃な価格、良質な商品を提供するブランドが人気を博しています。 加えて、日本旅行も大変人気です。2024年8月に日本を訪れた外国人は293万人で、前年同月比では36.0%増、7カ月連続で同月過去最高を記録しています。これらの人がSNSに投稿する日本旅行をテーマにしたコンテンツも非常に人気があります。 さらには「生きがい」といった言葉が哲学として捉えられて興味を持つ人がいるなど、さまざまな方面から関心が寄せられているのを感じます。この日本人気のトレンドはまだまだ続きそうです。 この記事の筆者:Gena プロフィール ドイツ在住3年目のライター、ボディポジティブモデル。個人ブログをきっかけに執筆活動を開始し、現在はヨーロッパのモデル事務所に所属しながら、「ヨガジャーナルオンライン」にてエッセイを連載中。学生時代にはアメリカ・ニューヨークにも留学経験あり。日本と欧米における視点の違いに関する情報を発信する。
Gena