イガグリ頭の青年が〝キング・カズ〟に ダンスは完コピ、カラオケ店で「自主練」も 話の肖像画 歌手・田原俊彦<25>
《芸能界以外でも交友関係は広い。なかでもサッカー界の〝キング〟こと三浦知良選手(57)とは、30年以上もの歴史を重ねているという》 カズと最初に出会ったのは、昭和が終わるころ、僕が27、28歳のときです。彼はまだ若く、静岡でのコンサートで僕の楽屋にイガグリ頭で現れ、「ブラジルでサッカーをしている三浦知良です!」と元気よく名乗ったんです。当時は無名だったから、「おー、OK」なんて応じました。 《それから数年たった平成4年秋、日本の初優勝で盛り上がったサッカー・アジア杯(開催地・広島)をテレビで見ていてビックリする…》 このアジア杯でメチャ活躍していた選手がいた。「何だこいつ、見たことあるぞ!」。それがあのときイガグリ頭だったカズでした(笑)。 カズはその後、僕の自宅に遊びに来ました。150平方メートルの3LDKで、高級家具やスピーカーがドーンとあった。彼は「こんなに広い部屋に1人で…」と驚いてましたね。 カズとはクリスマス後の年末も含め、2人でよくご飯を食べますよ。東京・西麻布のカフェで、恋人のように1つのケーキを半分ずつ食べたこともあります。見る人からみればヤバイよね。 あるとき、「トシさん、もんじゃ焼きを食べましょう」と誘ってきました。東京・月島の店かな、と思って車でカズを追い掛けると、到着したのは何と、静岡。いいかげんにしろ、ですよね。実はそこ、彼の実家。もんじゃ焼き屋だからね(笑)。 《三浦さんとは3カ月に1度、カラオケに行く仲だ》 カズは「今日みんなで集まるので、トシさん、来てください」と声を掛けてくるんです。「女の子も来る?」と聞くと、「何となくいまーす」と言う。なら「よーし」みたいな。カラオケ店はもちろん貸し切りです。何かあるとマズいからね。 カズは本当にカラオケが大好きですよ。〝昭和の歌縛り〟だけどね。1970~80年代の歌です。若い子たちは90年代や2000年代の曲を歌うので、彼は「つまんない」なんて言って、曲をバンバン切っちゃう。 カズは面白いんです。歌うのは山口百恵さんや沢田研二さんの曲。ギリギリ最近だと「セーラー服を脱がさないで」。それ以外は受け付けないみたい。