子どもの虫歯、青森県は全国ワースト3位 「生え替わり期に対策を」 12歳児調査、2022年度
2022年度の調査で、青森県内に住む12歳児の虫歯の数が1人当たり0.87本と、沖縄県、鹿児島県に次いで全国ワースト3位だったことが19日までに、県教育委員会のまとめで分かった。全国平均は0.56本だった。県などは、虫歯の悪化が生命に関わるような病気を引き起こす可能性があるとして歯磨きなどの徹底を呼びかけている。 県内児童のうち、虫歯や、虫歯を治したことがある人の割合(虫歯被患率)は22年度で49.0%だった。2年前からの推移をたどると20年度51.4%、21年度51.0%と少しずつ改善の傾向が見られる。 しかし全国平均は同じ期間で40.2%、39.0%、37.0%と青森県よりも10ポイント前後低い数値で改善している。中学生でも全国平均と10ポイント前後の差がある。 歯科医師で、県がん・生活習慣病対策課にある口腔(こうくう)保健支援センターの金澤孝彦氏は「虫歯を放っておくと、心臓病や舌がんになる例がある」と警鐘を鳴らす。子どもの虫歯予防策としては、学校でフッ素化合物溶液を使ってうがいをする「フッ化物洗口」が有効だと強調する。実際、00年からフッ化物洗口を導入している三沢市の12歳児の虫歯数は22年度、1人当たり0.38本と全国平均を大きく下回った。 家庭でできる虫歯予防対策として、同センターの濱田咲美歯科衛生士は▽歯磨きの際に保護者が仕上げ磨きをする▽歯磨きだけではなくデンタルフロス(糸式ようじ)や、ワンタフトブラシ(毛束が一つの歯ブラシ)で歯の汚れを取り除く▽フッ素入りの歯磨き粉を使う▽間食はお菓子だけでなく季節の果物にする▽キシリトール100%のガムやタブレットを摂取する-ことなどを勧める。 「子どもの頃に丈夫な歯を作れば、成人、高齢になってもいい状態を保てる。乳歯から永久歯に生え替わる小学生の時期に歯を大切にすることは、健康長寿にもつながる」とも話した。