【記者のベストレース2024】あの位置から届くのか!? 何度もパトロールビデオを確認したマジックマンの〝秘儀〟/芝井淳司
芝井淳司【3歳未勝利・レイピカケ】
カネ第一主義の私。毎年この企画には、一番もうかったレースを取り上げてきた。今年は大もうけした記憶がなく辞退させてもらおうかと思ったが、ダメということのなので、8月25日札幌でレイピカケが勝った3歳未勝利戦を挙げておきます。 レースを振り返ると、レイピカケは道中の進みが悪く、後方1、2番手から。4角でようやく行き脚がついたものの、いかんせんポジションが悪い。万事休すか…とも思ったが、そこからが〝マジックマン〟モレイラの真骨頂。3着だった坂井騎乗のネロコルヴィーノが直線で少し外に持ち出して開いたスペースを突いて加速すると、あとは冷静に前をさばいて先頭で走り抜けての勝利だった。馬の力もあるが、モレイラの手腕によるところが大きかったのは間違いのないところだろう。 なかなか見られない、シンガリから馬混みをさばいてきての差し切り。どうやって抜け出してきたのか…と何度もパトロールビデオを見返したことが今も思い返される。モレイラは〝普通のこと〟と言いそうだが、この神騎乗を今年のベストレースに挙げておきます。
芝井 淳司