ムーミンはソフトパワー 「絵入りの名刺で話弾む」 フィンランド女性大使がみたニッポン
北欧フィンランドのタンヤ・ヤースケライネン駐日大使が都内で産経新聞のインタビューに応じ、フィンランド生まれのキャラクター「ムーミン」は自国を日本にアピールするソフトパワーにもなっているとし、キャラクター入りの名刺は相手との会話を弾ませると語った。また、体を清め、精神的な安定をもたらすフィンランドの「サウナ文化」と日本の「温泉文化」に共通点があると指摘した。 ーームーミンが日本でも愛されている 「在日フィンランド大使館の各館員の名刺には、ムーミンの物語に出てくるキャラクターの絵が添えられています。どのキャラクターを選ぶかは館員の自由。私の名刺には、勇敢で独立心旺盛な『リトルミイ』が描かれています。私が毎回、自身の名刺を日本の方々に手渡すたびに、堅苦しい雰囲気が一気に氷解し、会話が弾む。キャラクターの話などでいい雰囲気が生まれ、フィンランドをアピールするきっかけにもなりますね」 「各キャラクターの絵を名刺に添えるのは駐日大使館員特有で、ほかの国に赴任するフィンランド人外交官はあまりしません。日本人がいかにムーミンを知っているかの証左です。在日大使館の受付待機所には、ムーミンのぬいぐるみも置いていますよ」 「ムーミンは、偉大な『ソフトパワー』といえます。有名なキャラクターをフィンランドが生んだことは幸せなことです。一方、日本もマンガやアニメ分野でよく知られた国ですね。私たちフィンランド人は、こうした文化を通じて日本との絆を感じています」 ーー日本人が温泉を愛するように、フィンランド人はサウナを愛している 「両国の人々がそれぞれ温泉文化、サウナ文化を愛していることは素敵なことです。サウナはフィンランドで体を清潔にするだけでなく、精神的な安定や平穏を得るための場所。日本でも温泉はそういう場所でしょう。裸になることをためらう欧州人は少なくありませんが、フィンランド人は平気。日本人も裸で温泉に入りますね。フィンランドと日本の類似性を感じます」 「フィンランドのサウナには日本のような〝熱波師〟はいません。ただ、束ねた白樺の枝で体をマッサージし、蒸気に漂う爽やかな香りを楽しむなど、似たようなことをしますよ」