『ちびまる子ちゃん』声優交代、松本人志不在のピンチヒッター…「代役・交代」をエンタメ化して消費してきたテレビ番組が直面する課題
代役や2代目にかけられる異様なプレッシャー
最近のテレビで話題となるのが、冠番組における主役不在の代役や交代劇。センターを務めるタレントのスキャンダル、体調不良、そして番組そのもののリニューアルなど、番組の存続を最優先にしたことから、制作側が出演者の入れ替えを下す判断だ。しかし、そこには視聴者側とのズレが垣間見える。テレビ番組に関する記事を多数執筆するライターの前川ヤスタカが、交代劇に伴うモヤモヤの正体を考察する。 【イラスト】代役、交代、不在の番組を乗り切る3人
活動休止中の松本人志レギュラー番組に代役はアリかナシか!?
松本人志が活動を休止してから3か月余りが過ぎた。 彼が出演していたレギュラーテレビ番組については、代役を立てたものもあれば、相方である浜田雅功をはじめ、もともといた他のレギュラーだけでつないでいるものもある。 代役を立てている場合も2パターンあり、『酒のツマミになる話』(フジテレビ系列)のように代役の千鳥・大悟が松本の役割を強く意識してMCをしているパターンと『だれかtoなかい』(フジテレビ系列)のように代役が「松本人志がその席にいた」ということをほとんど意識せずにやっているパターンである。 前者はあくまで一時的な代役なので番組としてもできるだけ色を変えないように同事務所のサブMCを据えたのだろうし、後者は中居正広とコンビを組むゲストMCにそれなりの人を持ってこられるなら別に色が変わっても構わないという判断だろう。 はっきりとした代役を立てていない番組は『水曜日のダウンタウン』(TBS系列)や『ダウンタウンDX』(日本テレビ系列)などだが、ここにおいては松本不在の影響は大きいと感じる。 『水曜日』も『DX』も番組のコアとなるのは「説」であり「芸能人のエピソードトーク」である。メインコンテンツそのものはダウンタウンの片方が不在であろうが変わらずおもしろいはずだし、実際におもしろさは変わっていない。 しかし、両番組ともなんだかふわふわしている気がするのだ。感覚的な物言いで申しわけないのだが、なんだか見ていて締まらない感じである。