スクワット240kg、ベンチプレス152.5kg、デッドリフト210kg 競技歴はわずか1年の26歳が魅せた圧倒的強さ
競技歴1年のゴールドジムのトレーナーがスクワットで240kgを挙げ、パワーリフティング東京チャンピオンに。「経験から得た知識をお客様に還元していきたいです!」 【写真】渡部禄也さんの240kgスクワット 8月10日(土)、聖書キリスト教会・東京教会にてパワーリフティング公式大会である『江古田X-TERMEパワーリフティング選手権大会』が開催され、渡部禄也 (わたなべ・さちや / 26)さんが 男子74kgに出場。スクワット240kg・ベンチプレス152.5kg・デッドリフト210kgと堂々たる試技で優勝を飾った。
普段はゴールドジム曳舟でトレーナーとして活動をしている渡部さん。圧倒的な強さで会場からはどよめきが起きるほどの試技を見せたが、競技歴はわずか1年であるという。 「以前、仕事でスクワットセミナーを開催したのですがそのときにBIG3の需要があることが分かったんです。お客様に良い時間を提供するためにも一度、大会に出場をし競技経験を積んでみたいと思ったことがこの競技を始めたきっかけです。私はボディビル競技にも取り組んでいるのですが、今まではボディビルの減量期とパワーリフティングの大会が被ってしまい、パワーリフティングの大会で思うように力を出し切ることができずにいたんです。今年の4月に出場した大会でもその感覚が強く、とても悔しくて。本気でパワーリフティングと向き合いたいと思うようになりました」 本格的な練習と”強くなりたい”という熱い想いが噛み合い、今大会は前回大会から3種目の合計重量は50kg向上。わずか4カ月で得意のスクワットでは27.5kgアップとなった。 「一般的なパワーリフティングメニューは3~5回程度の回数で練習メニューを構成させることが多いのですが、私は10回でメニューを組んでいました。理由はボディビルダーとして筋肥大も狙いたかったからなのですが、このメニューが本当に大変で。扱える重量が増え、成長を実感できる一方で疲労感も強く、過酷さを感じることもありました」 高負荷なトレーニングも怪我なく乗り越え、結果を残した渡部さん。そこには、徹底したケアの意識があった。 「筋疲労が強く、このままでは腰の怪我をしそうだと感じたことも正直ありました。でも、この異変にいち早く気づき、見過ごすことなくすぐに対処をしたんです。ストレッチポールで身体をほぐしたり、サウナにも行きましたよ。サウナに入ると身体は温まりますし、血行が良くなるので疲労も取れやすいんです。おかげで、大怪我になる前にしっかりとトレーニングに集中することができました」 当初は『お客様へより良いサービスを提供するため』にパワーリフティングを始めた渡部さん。その後、自身の接客に変化は生まれたのだろうか。 「以前にも増して、分かりやすい表現ができるようになったり感覚的なところでも共感ができるポイントが増えてきたように感じています。全体的に考えてもサポートはしやすくなりましたね。これまでもトップリフターの方々の動画を拝見し研究はしていたのですが、最近ではフォームをみて自分にはどう生かせるか。お客様にはどう取り入れられるかを具体的にイメージできるようになりました。これからも経験+研究で得た知識をお客様に還元していきたいです!」
ボディビルやパワーリフティングという競技を含むトレーニングの魅力をこれからも多くの人に伝えてもらいたい。
文・撮影:池田光咲